●過激なストレッチングで痣は基本
3日午前、ソウル市松坡区新川洞(ソンパグ・シンチョンドン)のある地下練習室。八頭身の美女たちが一人二人集まっては、ウオーミングアップを始める。チョウ・ヨンピルの軽快なダンス曲「旅に出ましょう」が流れ始めると、彼女たちは腕を振り、脚を持ち上げた。5人の動作は一つになったように一糸乱れもしなかった。斗山(トゥサン)の応援を担当しているCNCチアリーダー・チームだ。
朴チョンギチーム長は練習の途中で、「笑顔!笑わなくちゃ!」を繰り返し叫んだ。チアリーダーが明るい姿を見せてこそ、観衆も競技を楽しみながらストレス解消ができるからだ。
素敵な蹴り動作を見せるためのストレッチもたいへんだ。朴チーム長は、「太ももに痣までできるが、柔軟な身をつくるための通過儀礼」と言った。
●ベリーダンサー—大学生からチアリーダーに
チアリーダーは、舞踊や体育専攻者はもちろん会社員や大学生と、その経歴も多様だ。
李ユリ(25)さんは、ベリーダンサー出身。観衆と近くで呼吸するのが良くてチアリーダーを志願した。彼女は、「ベリーダンスの派手な振付けが目立つなら、チアリーダーはチーム員と呼吸を合わせてダンスをするのが面白い」と話した。
朴サンヒ(23)さんは大学で観光学を専攻したが、母親に勧められアルバイトでチアリーダーを始め、それが天職となった。李ウンミ(24)さんは一般会社に勤めていたが、スポーツをしたくなってチアリーダーに入門した。
「最初のうちはまるでダンスが下手でしたが、すればするほど上手になりたくなるのがダンスでした。」
●迷惑な観衆は
「熱心に応援をしているのに何か変な気がして回りを見たら、ある観客が携帯電話で写真を撮っていました。そのまま後に下がって踊り続きました。笑いながら」
チアリーダーたちは応援中に1、2回はこのような経験をする。ハン・ユンミさん(25)は、「たまに私たちを妙な目つきで見ている観衆を発見した時は、『この仕事を続けるべきかどうか』と懐疑をいだくこともあります」と打ち明けた。
だが、なんと言っても彼女たちはプロだ。気に障ることがあっても顔を赤らめたりはしない。ファンサービスをしなければならないからだ。
競技開始3時間前から腰を据える熱心なファンも少なくない。チアリーダーが他の野球団担当になれば、彼女たちを見るため席を移動する場合もあるとのことだ。
朴ヨンブン(23)さんは、「食べ物をくれたりサインをしてほしいというファンに会う時、やりがいを感じる」と語った。
●私たちは競技場のまた別の主人公
韓国では、チアリーダーは大半がイベント社に所属している。10あまりのチームに200人あまりのチアリーダーが活動している。
チアリーダーの年俸は、5年次基準で2500万〜3000万ウォン水準だ。基本給はあるが、本人が各種行事にどれほど熱心に参加するかによって、月給は千差万別だ。
日課は練習室から始まり、競技場で終わる。1日5、6時間の練習は基本で、私生活は忘れてしまい、活動の時期も長くなった。家族の誕生日を祝ったり、彼氏と付き合う時間もほとんどない。
しかし、彼女たちは「思いきりやれて、とにかく幸せ」と話す。「私たちは野球場のまた別の主人公という使命感で踊るのだから…。」
beetlez@donga.com