韓米自由貿易協定(FTA)が発効すれば、10年間、対米貿易黒字が年平均7億4500万ドル(約7077億ウォン)ずつ拡大すると、産業研究院(KIET)が9日、分析した。また、韓米FTAで国のランキングが上昇し、通商摩擦のリスクは減少するという展望も政府と財界の両方で出ている。
権五奎(クォン・オギュ)副首相兼財政経済部長官は、「経済運用の枠組みを先進化することが重要だ」とし、やや慎重な態度を示した。
▲製造業の貿易黒字、年間で約7000億ウォン拡大〓KIETは同日、産業資源部がソウル江南区三成洞(カンナムグ・サムソンドン)のグランド・インターコンチネンタルホテルで主催した「韓米FTA産業戦略報告大会」で、韓米FTA発効後10年間、米国向けの輸出と輸入がそれぞれ年平均13億2700万ドル、5億8200万ドル増加するという見通しを示した。韓国の対米貿易黒字が年平均7億4500万ドルずつ拡大すると推定したものだ。
分野別では、自動車の貿易収支の黒字が毎年7億4100ドル増加すると見込まれ、最も大きい恩恵をこうむるものと予想された。繊維と電気・電子も貿易収支が拡大するものと推定された。反面、化学・一般機械は対米貿易収支が悪化し、鉄鋼分野は別に効果がないと予想された。しかし、このような分析は製造業に限られているという限界がある。
一方、専門家らは同日、韓米FTA産業戦略報告大会で韓米FTAの効果を極大化するためには、外国人の投資環境を改善しなければならないと口をそろえた。
西江(ソガン)大学のアン・セヨン国際大学院教授は、「この2、3年間、メキシコに対する米国の投資が中国へ移りつつある」とし、「韓米FTAが妥結したとはいえ、自動的に投資環境がよくなるわけではない」と述べた。
北米自由貿易協定(NAFTA)発効後、メキシコに対する米国の投資が拡大傾向を示したものの、最近は相対的に人件費が安くビジネスしやすい中国へ集中しているということだ。
▲「国のランク付けはアップ、通商摩擦のリスクはダウン」〓財政経済部のホ・ギョンウク国際金融局長は同日、記者団に対し、「韓米FTA交渉妥結で韓国のランク付けが上方修正される可能性を極めて肯定的に見ている」とし、「4、5月、ムーディーズからいいニュースが聞こえてくることを期待している」と述べた。
KOTRAも米貿易代表部(USTR)が同日発表した定例の貿易障壁報告書(NTE)を、これまで公開された韓米FTA交渉の結果と比較し、「農業および自動車市場などで米業界の不満が相当部分解消するものと見られ、両国の通商関係に大きな進展が予想される」と展望した。
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