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[オピニオン]ブログ10年

Posted April. 10, 2007 07:36,   

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ブログの威力を見せつける1つのエピソード。英国の背広裁断師のトーマス・マホンは、客の減りに悩んでいた。彼は広告会社の役員出身の飲み友達、ヒュー・マクラウッドのアドバイスを受け入れ、05年1月、「イングリッシュ・カット(www.englishcut.com)」というブログを立ち上げた。背広の裁断に関する知識や愛情を正直につづった彼のブログには訪問者が相次ぎ、注文も押し寄せてきた(「ブログ、世界を変える」より)。

◆「1人メディア」と呼ばれるブログが、誕生から10周年を迎えた。ブログとは、「ウェブ(web)」と「ログ(log)」の合成語で、インターネットの航海日誌という意味だ。1997年4月、米国ユーザーランド・ソフトウェアの設立者であるデイビッド・ワイナーが最初のブログ「スクリップティング・ニュース(www.scripting.com)」を作った。1999年、ブロガー・ドットコム(Blogger.com)がサービスを開始すると、ブログは自己表現に積極的な若いインターネット・ユーザーの好みとあいまって、世界中で利用者が7000万人を数えるほどに成長した。

◆1999年、サイ・ワールド(www.cyworld.com)がサービスを導入した国内のブログ文化は、韓国人の若者たちの意識やライフ・スタイルさえ変えてしまった。ブロガーたちは日記をつけるように、自分のブログを飾り、儀式でも行うように他人のブログを訪問する。デジタル・カメラのブームもブログの装飾に無縁ではない。「サイ・ジル(サイに夢中になること)」や「イルチョン結び(パートナーになること)」「トトリ(どんぐり、サイ・ワールドのサイト内で通用する通貨)」などなど。ブログを知らない人には暗号文のようなものだが、ブログの利用者は国内だけでも、インターネット利用者の39.6%である1350万人を上回っている。

◆誰でも文章や写真、動画を掲載でき、即座でコピーできることから、ブログは話題を独占してきた従来のメディアの代案として注目されてきた。しかし、検証されていない情報の乱発や名誉毀損などで限界にぶつかり、ジャーナリズムというよりも参加や共有を特徴とする「ウェブ2.0革命」の主役として脚光を浴びている。とりわけ、企業としては非常に魅力的なマーケティング・スキルだ。ブログは、個人にとっては公開された日記にすぎないが、全体としては巨大な口コミの震源地でもあるからだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com