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[オピニオン]スターリン主義のテーマパーク

[オピニオン]スターリン主義のテーマパーク

Posted April. 17, 2007 08:05,   

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「美しく巨大なスターリン式の公園と労働収容所が共存する、恐怖とコメディーを行き交うスターリン主義のテーマパーク」。英国人が、中国の北朝鮮専門旅行会社を通して、2002年5月に北朝鮮を2週間旅行した、世界的な旅行専門出版社である「ロンリープラネット」社のトニー・ウィラー会長の北朝鮮描写だ。「世界のバックパッカーたちの父」と呼ばれるウィラー会長の新刊『悪い国々〜悪の軸〜』は、北朝鮮と並んでイラク、イランなど一般人が旅行しにくい9ヵ国の訪問記が盛り込まれている。

◆平壌(ピョンヤン)、開城(ケソン)、新義州(シンウィジュ)、白頭山(ペクトゥサン)などを見て回ったウィラー会長にとって、北朝鮮は一つの「映画セット」のように映った。ウィラー会長は「表向きは本物のように見えるが、近くで見ればまったくそうではない超現実的な所」だったと核心を突いた。北朝鮮では、外部からの旅行会社は通訳やガイドに扮した保安要員の監視のもと、北朝鮮が見せようとする所だけに行くことができる。ウィラー会長も同じパターンで団体旅行をした。しかし、1年の半分を旅行で過ごし、100以上の国々を経験した「プロ」の見る目は違った。

◆先月5日、米国のドキュメンタリー放送「ナショナルジオグラフィック」が放送した「インサイド—ノースコリア」は、指導者の偶像化の実態と人権状況を衝撃的に見せてくれた。取材チームは、住民たちに開眼手術を施すために訪朝したネパール医療団に忍び込んで取材を行った。この番組は、白内障の手術を受けた北朝鮮の老人たちが「金正日(キム・ジョンイル)将軍様の写真が見られないのが最大の苦痛だった」と言って涙を流す場面を通じ、北朝鮮の偶像化の実状を暴露した。

◆北朝鮮は金日成(キム・イルソン)の銅像、石膏の胸像だけでも3万5000体以上あり、政治犯収容所と強制労働収容所が各地に隠されている国だ。1989年後に北朝鮮との間を往来した韓国人は、金剛山(クムガンサン)観光客141万人を含め、計169万人に達する。彼らの中には愛らしい姿で踊ったり歌ったりする「子供パフォーマー」の瞳の中に隠れた苦痛と怒りを読み取った人もいる。ウィラー会長が見抜いたのも「民主主義人民共和国」の偽善だ。ウィラー会長が韓国へ来たら、世襲の北朝鮮親子を仰ぐ北朝鮮寄りの左派の偽善も見抜くのでないか。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com