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[社説]フランスは市場とグローバル化を選択した

[社説]フランスは市場とグローバル化を選択した

Posted May. 08, 2007 07:46,   

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フランス大統領選挙の決選投票で、フランス国民は右派政権党のニコラ・サルコジ候補を選択した。サルコジ氏は、「もっと働き、もっと稼ごう」をスローガンに、労働市場の柔軟化や減税、公共部門の縮小など、市場親和的な改革を公約し、53.1%の国民の支持を得た。社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル候補は、社会的連帯の「フランスモデル」を守ることを主張し、労働市場の保護、政府介入の拡大といった公約を出したが、過半数の国民の支持を得ることができなかった。

フランス大統領選挙は、グローバル化対反グローバル化、市場対国家、成長対分配の世界史的代理戦という意味がある。経済規模が世界第6位のフランスでは、7人に1人が外資系企業に勤めながら、グローバル化と市場経済への反感も世界的だ。フランス革命から受け継いだ平等と博愛の理想主義、国家中心主義の影響は大きい。

政府主導の経済政策では、1970年代までは米国経済に追いつくことは可能だったが、それ以上の成長と革新は不可能だ。フランスが欧州の平均値を下回る経済成長率2%、失業率9%の「欧州の患者」へと転落した理由である。にもかかわらずフランスは、労働時間週35時間、寛大な失業手当など、過去の「社会的モデル」に固執し、世界第7位だった1人当たりの国内総生産(GDP)は、半世紀たって17位に転落した。

サルコジ氏は、グローバル化の中で競争力のある国を維持するには、「小さな政府、大きな市場」政策は避けられないという現実を強調した。特に雇用と解雇を自由にし、週35時間より多く働けば、より多くの補償を与える政策こそ、投資と雇用、国富を増大できることを明確にすることで、国民の委任を受けたのだ。

政府が税金と公共支出を増やし、規制を通じて市場を誘導することで国民を保護するという守旧左派的理念は、グローバル化・情報化とは共存できないことをフランスの現実が示している。サルコジ氏が公共組職と労組の抵抗に屈し、ポピュリズム(大衆迎合主義)に陥り、保護主義を選ぶ可能性もある。しかし時代錯誤的な理念と平等コードでは生き残れない現実を直視する必要がある。世界の変化に頑固に背を向ける韓国の守旧勢力も、フランス大統領選から感じることがあるはずである。