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[オピニオン]政界の暴言競演

Posted May. 09, 2007 09:04,   

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「同じ酒でも、よくろ過すれば清酒になり、あまりこさなければ濁り酒になる。いわゆるどぶろくだ。肉体労働者たちは、労働し、どんぶりでどぶろくを飲み、キムチをつまみにする。そして粗製のタバコを吸い、草履をはく。ここまではいい。問題は、精神領域に移って言葉や行動が粗野になれば、事情は深刻になる。それゆえ詩人ワーズワースは、『生活(物質)は低く精神は高く』という詩を残した…」。人文学者李御寧(イ・オリョン)氏が数年前にある新聞に書いた文章の一部だ。

◆ヨルリン・ウリ党の進路をめぐり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と鄭東泳(チョン・ドンヨン)元議長、金槿泰(キム・グンテ)前議長の間に、一昨日また暴言が行き交った。盧大統領は、大統領府ブリーフィングに掲載した文章で、二人を「あなたたち」と呼ぶほど激情を露にした。金前議長とは「浅知恵政治」だと非難し合った。いわゆる「親盧」とされる人々はさらに、鄭、金両氏に対して、「ガラクタどもが、まむし政治、仲介屋政治をし、浅知恵を使っている」と毒舌を浴びせた。

◆一国の政治エリートとしての品格は見当たらない。一時であれ同志だったにもかかわらず、最低限の礼儀すら見られない。盧大統領はこの文章で、「大統領ではなく政治家」としての言葉だと言った。政治家は暴言を吐いてもいいということか、それとも「階級章ははずしてけんかをしよう」と言いたいのか。盧大統領は、有力紙を「不良商品」と呼び、孫鶴圭(ソン・ハクギュ)前京畿道(キョンギド)知事を「行商人」と言ったこともある。

◆政治家たちの暴言は、国民の言語生活だけでなく、精神までも汚染する。米国のウィルソン元大統領は著書『連邦議会政治論』で、「立法よりも重要な議会の機能は、政治問題を論議する過程で国民を教育することだ」と語った。言葉についてピタゴラスは「精神の呼吸」と言い、ラルフ・エマーソンは、「人前で自画像を描くこと」と言った。テレビの子どもの日の特集番組に盧大統領は自ら出演して「立派な人になれ」と勇気づけなくていい。子どもたちが真似するんじゃないかと危ぶまれる言葉は慎んでもらいたい。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com