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[社説]韓国大統領選のおかげで「接客に忙しい」北朝鮮の金永南委員長

[社説]韓国大統領選のおかげで「接客に忙しい」北朝鮮の金永南委員長

Posted May. 12, 2007 08:26,   

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平壌(ピョンヤン)を訪問中の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前京畿道(キョンギド)知事が一昨日、金永南(キム・ヨンナム)北朝鮮最高人民委員会常任委員長と会い、笑いながら握手を交わし、40分間にわたって歓談した。北朝鮮の名目上の国家元首である金永南委員長は、国内マスコミでお馴染みのニュースメーカーだ。一週間前には、ヨルリン・ウリ党の金爀珪(キム・ヒョッキュ)議員一行と接見し、3月8日には李海瓚(イ・へチャン)前首相に会って、同じ場面を演出した。

3人とも、与党陣営や非ハンナラ党グループの潜在的大統領選候補として名が挙がっているが、ハンナラ党を離党した孫前知事は、党籍すらない個人の身分だ。にもかかわらず北朝鮮は、金永南委員長と孫前知事との接見の場面が韓国側で放送されるように送出を許可した。「南朝鮮大統領候補」たちが平壌万寿台(マンスデ)議事堂に来て、記念写真を撮る姿を見せることで、韓国大統領選挙に対する北朝鮮の影響力を誇示しようという意図が含まれている。

北朝鮮と交渉する資格があるのか疑わしい一部の政治家たちが、むやみに平壌に行き、対北朝鮮交渉の包みを広げることに伴う北朝鮮政策の混乱も、大きな問題だ。彼らが果たして金永南委員長から実効性のある話を聞くことができるのかも疑わしい。金永南委員長は対外的には権力序列第2位だが「客寄せ」に過ぎないということは、世界が知っている。金委員長は、金正日(キム・ジョンイル)総書記が委員長を務めている国防委員会のメンバーでもない。そんな事情を知っていながらわれもわれもと万寿台議事堂に行くことは、北朝鮮の「南朝鮮大統領選戦略」に便乗し、名声を高めようとする機会主義的な振る舞いと言わざるをえない。

中国の韓半島専門家である張鑅共産党中央党校教授は数日前、「第8回世界韓民族フォーラム」の特別講演で、「核を持つ北朝鮮は、南北関係の主導権を徹底的に掌握し、戦争一歩手前の戦術を通じて、韓国国内の政治に介入するだろう」と診断した。核実験で韓国住民の「人質心理状態」をつくり、大統領選介入のてこに使うということだ。

北朝鮮は今年に入って、韓国の親北朝鮮左派勢力に「反ハンナラ党連合戦線」を構築せよと言い、大統領選介入をあらわにしている。そんな矢先、大統領選候補者とされる人々が争うかのように北朝鮮の「客寄せ」に会うことが、大統領選街道で国民の支持をどれほど得られるのか疑わしい。