李健熙(イ・ゴンヒ)三星(サムソン)会長は1日、「技術開発力を高め、人材を天才レベルに育てなければならないが、教育制度が画一的なので、全般的に見直す必要がある」と指摘した。李会長は、「画一的」である教育制度の内容については具体的に言及しなかったが、高校平準化と画一的な大学入試制度のことを言っているのは誰にでも分かる。
現政府は、平準化制度の補完のために設立した外国語高校、自立型私立高校、科学高校の首を絞め、大学入試に対しても「内申重視」という選抜原則を強要している。このような平鈍化教育制度の中で天才に成長する人材が育たない現象を、李会長は残念がっているのだ。
訪韓中の未来学者アルビン・トフラー博士も、「産業化時代の労働者養成のための工場式教育方式に固執している」と述べて、多様化した教育制度と内容が必要だと指摘した。教育の多様化や多彩化を抑圧し、「平等コード」一本化に執着する政府が肝に銘じるべき忠告である。
トフラー博士は、「何よりも官僚主義の弊害が一日も早く消えなければならない。教育制度も革新が必要だ」と強調した。韓国で、私立学校の自律的な運営を妨害し、大学入試を牛耳って一つ一つ干渉することも、まさに官僚主義の弊害である。教育を官僚主義から解放しなければ、「大量生産と画一化」方式の教育を正すことはできない。
21世紀の新しい経済に対応する各国の教育制度を評価した昨年10月の世界経済フォーラム(WEF)の調査で、韓国は、ケニアより一ランク下の38位だった。シンガポール(2位)、香港(7位)、台湾(9位)だけでなく、インド(25位)にも後れを取っている。
経済協力開発機構(OECD)の「05〜06年教育政策分析」によると、先進国の政策は評価と公開の制度化が核心だ。学生の成就度、教師の授業能力、大学レベルの評価で競争力と公平性を高め、情報の公開で教育需要者の学校選択権を広げているのが趨勢だ。学校運営の主体を多様化し、産業界の要求を大学に反映して技術開発力を高めている。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は、全国教職員労働組合に引きずられ、教育政策を先進国とは反対に導いている。水準の低い政治がどこまで教育と経済を引き下げるのか心配だ。