「今年のプロ野球最高の打者は金東柱(キム・ドンジュ、31、斗山)だ」。ノ・チャンヨプLGコーチは、「金東柱は打撃と守備を兼備した、もっとも目立つ選手だ」と誉めたてる。徐定煥(ソ・ジョンファン)KIA監督も、「金東柱はアウトコースは流し打つし、インコースは引っ張れるマルチヒッター」と評価した。
一時、「ぐうたらな天才」と呼ばれた金東柱が変わった。金卿文(キム・ギョンムン)斗山(トゥサン)監督は、金東柱が98年にプロデビューして以来、最高のシーズンを送っていると言う。「金東柱の打撃は絶頂に達している。金東柱が外野に飛ばした打球のうち10本ぐらいは、他の地方球場でならホームランになったはずだ。強襲打球の多いサードを守っているという点で、さらに点数はあがるだろう」。
金東柱は4日現在、打率3割3分5厘(3位)、10本塁打(5位)、34打点(3位)、30得点(3位)、出塁率0.459(2位)など、打撃の全部門で上位にランクしている。彼が打率3割3分9厘31本塁打106打点をマークした2000年の記録を破るという予測も出ている。
その原動力は、金東柱の野球に対する執念だ。金東柱は打撃練習の時、飛んでいく球がフェンスを越えたか、バットにきちんと当たったかに全ての神経を集中させる。そして、独り言で自分が打った打球を「ホームラン」「左安打」というふうに自評する。
ハン・ヨンジュン斗山コーチは、「金東柱は球を打つ音から違う。バットに力を乗せた打撃を知っている選手だ」と話す。
金東柱は今季が終わると、自由契約選手(FA)になる。早くも沈正洙(シム・ジョンス)が2004年、斗山から三星(サムソン)へ移籍する際に受け取った計60億ウォンのFA契約金を更新するとか、日本のプロ野球に進出するといううわさが流れている。
しかし、金東柱は「FA問題はまだ口にする時でない。今はチームがベスト4に入って、ポストシーズンに進出することが最高の目標だ」と淡々と話した。金東柱がチームで大きな信頼を得るゆえんである。
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