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[オピニオン]キャンプ・エドワードの地中

[オピニオン]キャンプ・エドワードの地中

Posted June. 16, 2007 04:57,   

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アジア最大の米軍基地のあったフィリピンのスービック湾(海軍)やアンへレス市(空軍)。1992年、米軍が撤退した後15年が過ぎたが、いまでもその後遺症に苦しんでいる。特別経済自由区域と指定され、公団やゴルフ場、免税店が相次いで建てられたが「ドルの都市」という旧名声に見合う活気は取り戻していない。さらに大きな問題は、開発のために地面を掘るたびに廃油や重金属、アスベストなどの汚染されたごみがあふれ出るということだ。

◆フィリピンは米軍と撤退交渉をしながら環境汚染の修復に関する条項を入れなかった。交渉を誤った原罪のために汚染の事実から目をそむけていたフィリピン当局も遅ればせながら事態の深刻性に気づいた。米軍がキャップコム地域を汚染させた事実を2000年に確認し、責任を問いながら両国が一緒に修復に乗り出すことを要求した。しかし、後の祭りだった。米国は汚染の事実すら認めなかった。

◆先日、国会の環境労働委員会議員たちが京畿道坡州市(キョンギド・パジュシ)のキャンプ「エドワード」の現場を調査した。地面を掘るや石油のにおいが立ち込め、くみ上げた地下水を綿で湿らせて火をつけると、めらめらと燃え上がった。在韓米軍が半年間、地下水の中の油を除去する「バイオスラッピング」の作業を行ったというのにこの有様だ。米軍は今年、韓国に返還する9つの基地のうち5ヵ所については、「規定にない」という理由で韓国政府の確認作業を拒否した。

◆韓国国民は在韓米軍による環境汚染について、国内要因のために生じた環境問題より敏感に反応する傾向がある。1300万人が見たという映画「グエムル」は、米軍が漢江(ハンガン)に毒劇物を無断で放流し、突然変異の怪物が現れたというストーリーを盛り込んでいる。実際に、数回の油漏れ事故が、反米運動のきっかけとなったりもした。キャンプ・エドワードの汚染問題も除去作業を手抜きでやった米軍の責任も大きいが、修復の基準を最初から明確にしなかった韓国政府の責任も大きい。返還の手続きも終わったいまは我々の金で修復しなければならない状況だ。だからといって、わが国の安保のために駐留してきた米軍の環境汚染行為を反米とつなげる動きも「意図の不穏さ」を疑われかねないだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com