一昨日開かれた国会法制司法委員会は、大統領選挙関連攻防で大声が飛び交うほど険悪なムードだった。ヨルリン・ウリ党および同党離党議員たちは、「李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・グンヘ)氏が選挙で違法行為をした」と主張して検察の捜査を求め、ハンナラ党議員たちは「でたらめだ」と強く反発した。安商守(アン・サンス)委員長が、「まるで選挙運動をする委員会のようだ」と言うほどだった。これについて、ウリ党所属の李龍熙(イ・ヨンヒ)国会副議長が、「このような話をすると、同僚議員に何を言われるか分からないが…」と言って口を開いた。
◆李副議長は、「ライバル党の大統領候補に関する問題は、できる限り最小限のマナーは守るのが望ましい」と述べ、ウリ党など与党議員たちに「易地思之(立場を変えて考えること)」を注文した。相手の立場を考えろという忠告だった。そして、「与野党の立場が、いつ、どのように変わるか分からないではないか」とも言った。忠清道(チュンチョンド)出身特有の穏やかさとソフトな言葉づかいだったが、あらゆる辛苦をなめた経験豊富な老政治家の重みゆえに、その響きは大きかった。
◆李副議長は76歳で、現職国会議員中の最高齢だ。政界入りして47年、当選4回議員だが、総選挙と地方選挙に13度も出馬し、8度も落選の苦杯をなめた。それゆえ、陽が陰になり、陰が陽になる道理をだれよりもよく知る。「大きくなりたければ人に仕えよ」という座右の銘も、このような経験と無関係ではない。周囲から来年の総選挙出馬を勧められたが、李副議長は「立派な後輩たちに道を譲ってあげなければならない」と言い、1ヵ月前に不出馬を宣言した。今や心まで無にしたわけだ。
◆民主党所属の趙舜衡(チョ・スンヒョン)議員も、「正しい言葉」を吐露した。趙議員は、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が政府機関に大統領選候補の公約の妥当性を調査して報告しろということは、法治秩序の危機をもたらす違憲、違法的な指示だ」と批判した。72才で当選6回という貫禄もあるが、2年前の「弾劾逆風」で「政治的死亡」にまで至って復活したため、趙議員も政治とは何かを知っている人物だ。自分の欠点には目をそらし、他人のあら探しにあくせくする欠格政治家たちが模範とすべき2人の元老政客だ。
李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com