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[社説]大学教育のもっともらしい目標、間違った手段

[社説]大学教育のもっともらしい目標、間違った手段

Posted June. 27, 2007 03:12,   

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盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は昨日、大学総長152人との話し合いで、「全国民の競争力や国民的な統合、バランスの取れた多様性のある社会のような価値を教育政策に活かさなければならない」とし、内申に重点を置いた大学入試政策への協力を求めた。公共利益のためには、大学の自主性も規制を受けうるし、韓国社会の「道徳的な価値」を増進させることが国家競争力につながるという論理だ。

内申の50%を反映することが、大学入試政策が全国民の競争力を高め、統合や均衡をもたらすことになれば、積極的に歓迎すべきことだ。政府が09年から疎外階層生徒の特別選考を11%に拡大することにした「機会均衡割当制」も同じく、大学進学への機会を広げ、貧富の格差を解消するという配慮からだと見受けられる。

しかし、高校によっては内申1等級の生徒が修学能力試験(日本のセンター試験に該当)では7等級の評価を受けるなど、学校間の格差が依然として大きいのが現状だ。全国民の競争力を高めるためには、学校間のこのような格差を先に解決するほうが理にかなっている。疎外階層生徒の多い学校に優秀な教師を配置したり、財政支援などを通じて学力を高めたりする根本的な解決策なしに、内申に重点を置いた大学入試政策ばかりにこだわっては、大統領の望む「川から竜も生まれ、鯉も生まれるコース」は生まれない。疎外階層生徒の大学への進学率を高める問題も、公教育の質を高め、奨学金や学資金融資を拡大する方法で解決すべきだと、今年初頭、経済協力開発機構(OECD)で勧告したことがある。

盧大統領は今回の大学入試制度は「国民的な合意」に基づいたものだと主張しているが、事実とは違う。

04年10月、新制度が発表された時から、大学では「同制度では生徒の選抜が困難」と難色を示したし、05年5月7日には、高校1年生たちが史上初のロウソクデモを行った。当時の金振杓(キム・ジンピョ)教育副首相は、ロウソクデモを食い止めるため、「生徒簿を30%反映した場合、内申は大学入試においては大きく反映されない」という談話まで発表した。

各先進国では大学の自主性や競争を強化することで教育競争力を高め、これを通じて国の発展や国民の生活の質を高める方向に進んでいる。欧州だけ見ても大学教育の均等化を追求した結果、大学の質はもとより、国の競争力まで落ち、これに対する痛烈な反省が相次いでいる。フランスのサルコジ大統領が就任後、最初の改革として、大学予算の割当に成果制を導入すると宣言したのもこのためだ。現政府が他山の石とすべき部分だ。