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「チャーチルを真似た」ブッシュ、結果は正反対の人物に

「チャーチルを真似た」ブッシュ、結果は正反対の人物に

Posted July. 03, 2007 03:31,   

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ブッシュ米大統領は、00年の大統領選挙当時、「人生に最大の影響を与えた哲学者は誰か」という質問に、すかさず「イエス・キリストだ」と答えた。大統領になった後には、チャーチル元英首相、トルーマンおよびレーガン元大統領を慕い、自分のロールモデルとした。

しかし最近、米国では、ブッシュ大統領が、彼が真似た人物とは正反対の指導者にむしろ似ているという指摘が出ている。

▲欧州を救ったチャーチル〓ブッシュ大統領のホワイトハウス執務室には、リンカーン元大統領とともに、自身が生まれた1946年に制作されたチャーチルの胸像が飾られている。

政治家初期の頃、ナチス・ドイツの浮上を予想し、断固たる対応を訴えたチャーチルは、ブッシュ政府で全盛期を謳歌した新保守主義者(ネオコン)たちには偶像のような存在だ。ポール・ウォルフォウィッツ前国防副長官が、毎年11月30日、チャーチルの誕生日に同僚とパーティーを開いていたことは有名な話だ。

しかし、ボルティモア・サン紙のホワイトハウス担当記者を務めた歴史著述家のリン・オルセン氏は、1日付のワシントンポストへの寄稿文で、「ブッシュ大統領が自分を真似ようとしたという話を聞いただけでも、チャーチルは唖然とするだろう。彼はむしろ、チャーチルに首相職を明け渡したチェンバレンに似ている」と主張した。自分だけが敵を打ち破ることができると言って、周辺国を包容する努力を怠り、自分の職に類例のない莫大な権限を付与し、議会を無視したところが似ているというのだ。

▲冷戦の青写真を描いたトルーマン〓ブッシュ大統領は、9・11テロ後の世界秩序を「脱冷戦後のテロとの戦いの時期」と判断し、50年を見通した青写真を描こうとした。まるでトルーマンが、ジョージ・ケナン、ディーン・アチソンという戦略家とともに米ソ冷戦時代の戦略を描いたことを念頭に置いたかのようだった。

しかし、ブッシュ大統領が始めたイラク戦争は、欧州復興のためのマーシャルプラン、欧州防衛のための北大西洋条約機構(NATO)の創設、原子爆弾の投下による第2次世界大戦終息のようなトルーマンの成功例とは大きく異なる道を進んだ。

▲小さな政府を実践したレーガン〓ブッシュ大統領の経済政策は、レーガン政策の再活用という評価が伴う。所得最上層の資本収益を免税することで、高所得層の消費の増大および追加投資を刺激し、「トリックル・ダウン(trickle down)效果」を通じて、年平均3%台の経済成長を成し遂げた。

しかし、イラク戦争で戦費投入が増加し、「小さな政府」の具現は失敗したというのが衆論だ。



srkim@donga.com