「韓国社会の労働運動は、完全に失敗した」
「(韓国の労働運動陣営が)西欧で50年、60年前に経験した闘争を今も続けながら、自らはうまくやっていると勘違いしている」
民主労総とともに韓国労働界の両軸を成している韓国労総の李龍得(イ・ヨンドク)委員長が3日、韓国の労働界に向けて激しく批判した。
李委員長は同日、ソウル汝矣島(ヨイド)のCCMMビルで韓国労働研究院の主催で開かれた「人中心の経営、朝食講演会」で、「韓国の労働運動は大衆性を失い、世界の最低水準の労組組職率に転落した」と指摘した。
李委員長は、大衆性の喪失とともに韓国の労働運動が失敗した根拠として労組の「錯覚」を挙げた。
李委員長は「自分たちだけが『戦闘的な組合主義』に陥って一生懸命に戦っていると思い込み、自分たちの労働運動が『手本』として一番うまくやっているという錯覚に陥っている」と話した。
引き続き、李委員長は「他の国でも韓国でも労組組職率が10%を示したことはない」とし「労働運動を失敗として規定し、変わるべき当為性がここにある」と付け加えた。
韓国の労組組職率(労組加入対象の労働者に対する実際の労組加入者の割合)は、2005年末基準で史上最低である10.3%だ。
李委員長はまた「20年前に韓国の国民所得は3000〜4000ドルだった。五輪やワールドカップも開催することができなかった20年前の労働運動の基調が、今まで何にも変わってない」とし、「他の意見を出せば裏切り者になる」と話した。このような発言は企業にやさしい態度を見せるという理由で、自分を批判してきた民主労総の指導部などを狙ったものと見られる。
李委員長は最近の韓米自由貿易協定(FTA)の撤回を要求しながら、行われた民主労総傘下の金属労組のストについても「ゼネストに入ったが、現場では3000人も参加していないのが現実」だと苦言した。
李委員長は「FTAの最大の恩恵者がどうして闘争をするのか。闘争をしなければならないのに争点がないので、ただなんとなくそうやっている」と批判した。
引き続き、李委員長は、韓国の労働運動が1987年に民主化運動の際に労働運動を主導した「戦闘的な組合主義」に止まっていると診断した。
「闘争」は、対話の交渉力を高めるための手段になるべきだが、戦闘的組な合主義は「戦闘」にだけ焦点を合わせ、最初から合意に達することをできないようにしているという指摘だ。
李委員長はまた、「民主労総は代議員大会で政府と交渉は最初からできないようにしている」として、「闘争のテーマがなければ何でも作り上げる」と批判した。
さらに李委員長は、外国人たちの目に映った韓国の労働運動についても憂慮を示した。
李委員長は「現場の労働者が参加していないにもかかわらず、外国のマスコミは韓国がゼネストをしていると大きく報じている」として、「6月に日本を訪問した時(外国投資者に)、韓国の労働運動が変りつつあるので憂慮を払拭するように頼んだが、彼らは外国のマスコミに載っている内容だけを見ている」と憂慮した。
同日、李委員長が強調した新しい労働運動の方向は「社会改革的な組合主義」だった。
李委員長は、「この方式は、対話と交渉を基本に企業と社会に必要な労働運動」だと説明した。中央単位ではこの社会に必要な労働運動、地域ではその地域に必要な労働運動、企業ではその企業に合う労働運動を繰り広げようという意味だと付け加えた。
また、李委員長は、「労働界が外資の誘致もし、恵まれない子どもたちの家庭も支援しながら、地域社会の発展方向を模索しなければならない」として、「労働運動から社会運動に役割を変えなければならない」と述べた。
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