スイスの私設団体「新たな7大の不可思議財団(New7Wonders)」が7日、ポルトカルのリスボンのベンフィカー競技場で「新たな7大不可思議」を発表した。紀元前200年ころ、ビザンティウムの歴史学者であるピロンがあげた「古代の7大不可思議」を受け継ぐという趣旨だ。しかし、歴史への真剣な考察なしに、「視線をひきつけること」だけに汲々としているという批判の声が出ている。
世界人のインターネットと電話投票で選定した「世界の7大不可思議」は△中国の万里の長城△インドのタジマハール△ブラジルのリオ・デ・ジャネイロのイエス像△メキシコのマヤ遺跡△イタリアのローマ・コロセウム△ペルーのマチュピチュのインカ遺跡△ヨルダンのペトラ遺跡からなっている。財団側は、6日まで6年間の間に行った投票に計170カ国から1億人あまりが参加したと説明した。
しかしAFP通信は、専門家たちが「インターネットで重複投票がなされた」と、選定過程の不公正さを指摘したと報じている。AP通信によると、行事が広く広報されたここ数ヶ月間の間に投票が集中したことがわかった。中国の万里の長城学術院は、5月自国民に対して投票を督励している。
ユネスコ所属のインド文化専門家のニコル・ブルロミ氏は「今回の投票は民主的でも、科学的でもなかった」として、歴史的な意味より遺跡の外見だけに偏ったと評価した。ユネスコも先月「投票者の個人的な好みを表す結果に過ぎない」と、大きな意味を置かない意向を明らかにしている。
今回の発表行事では、ポップ歌手のジェニファー・ロペス、声楽家のホセ=カレーラスなどが祝賀公演を行った。最初に月面着陸に成功した宇宙人のルイ・アームストロング氏などの有名人も大挙参加した。
新たな7大の不可思議財団(New7Wonders)は、「われわれの文化遺産は、われわれの未来」という趣旨で、01年スイスの冒険家であるベルナールト・ベーバが創設した。スイスのチューリッヒに本部がある。
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