日本や香港などへの遠征ショッピング旅行が盛んだ。今月、バーゲンセールのイベントを行う東京のブランド品デパートでは、韓国からの買い物客でにぎわっている。香港は中国への返還10周年を記念して、さまざまなイベントで、韓国からの客を呼んでいる。
それなのに、国内の消費市場は閑散としている。ウォン高にもかかわらず輸出は善戦しており、株価も史上最高水準を記録しているが、多くの消費者たちは海外に出て財布の紐を緩めている。今年第1四半期(1〜3月)の海外消費(4兆7000億ウォン)が初めて、国内のデパートの売上(4兆5000億ウォン)を上回ったほどだ。
同じブランド品でも国内での価格がはるかに高く、海外での消費のせいばかりにするわけにもいかない。日本のブランド品市場は韓国の10倍の30兆ウォン規模で、大量購買ができるうえ、並行輸入価格が韓国内の価格より安い場合が多い。円安で飛行機代や宿泊料を負担しても、国内でのショッピングより満足度が高いという。
海外消費によって流出する金が国内で使われることになれば、内需景気の回復に勢いがつき、働き口もさらに多く作ることができる。各企業でも海外投資により大きな関心を示しているのに、消費まで海外へと流れてしまえば、国内の経済回復はさらに遅れざるをえない。にもかかわらず、政府は富裕層を税金で苦しめることばかりに気を取られ、彼らが国内で金を使うように誘導する政策には消極的だ。これも政権のコードと関係がある。
政府が脇目をふっている間、旅行収支の赤字は03年の47億ドルから、昨年は129億ドルに増えた。海外での消費の急増は、国内サービス産業が税金や規制に足を引っ張られ、品質や価格の面で消費者たちの多様なニーズを満たしていないせいだ。ゴルフ場を例にとると、過剰な税金や規制のため、中国や東南アジアはもとより、日本にも価格競争力の面で遅れをとっている。ゴルフに行くついでにあれこれショッピングをしてくる人々も多い。
権五奎(クォン・オギュ)経済副首相は「サービス産業の競争力強化対策が詰めの段階に差しかかっている」と述べたが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は行動が遅すぎる。サービス産業の活性化を唱えたのは、盧大統領の任期の初期からだった。うわべだけの対策であり、根本的な突破口を作ったことすらないのが今の政府だ。