Go to contents

[オピニオン]卵テロ

Posted July. 21, 2007 03:03,   

한국어

ハンナラ党の鄭亨根(チョン・ヒョングン)議員が一昨日、ハンナラ党の新しい対北朝鮮政策を説明するため、在郷軍人会に行って、卵を投げられた。卵が飛んでいく場面と顔に当たる瞬間、割れた卵が顔を覆った姿の3枚の写真が新聞に載せられた。悲惨に歪んだ鄭議員の表情はたくさんのことを考えさせられる。その間、左派によって「極右保守馬鹿」と分類されてきた鄭議員が保守団体の会員に酷い目に合った点がアイロニーで時事的だ。

◆鄭議員の足跡をかんばしからぬ目で見てきた人々は、今回の出来事を痛快だと思うかも知れない。鄭氏は長年の公安検事生活と国家安全企画部(国家情報院の前身)対共局長を経て、国会議員になった後、政権と相手の党に対する厳しい批判活動で有名だ。彼に批判的な人々が「それはいい気味だ」という反応を示すのも無理がない。しかし、卵の洗礼は穏当な意思表示の方法ではない。

◆鄭議員は、ハンナラ党の平和統一特別委員会の委員長として党の新しい対北朝鮮政策である「韓半島平和ビジョン」を作る上で主導的な役割をした。新たな政策は、相互主義の後退、大々的な対北朝鮮経済支援、政府与党が推進中の第2次南北首脳会談の支持などを柱としている。従来の政策を覆す水準に変えたことに対して、ポピュリズムまたは北風に恐れを感じた大統領選挙向けの政略という批判が少なくない。だからと言って、保守団体の卵の洗礼が正当化されはしない。表現の自由と集会およびデモの自由を超える過剰行為と言わざるを得ない。

◆卵の洗礼が人命殺傷を狙ったものでないと言っても、軽く見過ごしてはならない。国内はもちろん、世界的にもまれに見るデモ方法だという理由で寛大に取り扱うのも困難だ。プライドを傷付け、多数に沈黙を強要するおそれがあるからだ。人に卵を投げる行為は、石か刀を突きつけるよりは暴力的でないかも知れないが、結局は相手の自由と権利を侵害する脅迫であり暴力でありテロである。民主主義の敵だ。特に、大統領選挙を控えている今現在、さらに深刻なテロに拡大する可能性を警戒しなければならない。

陸貞洙(ユク・チョンス)論説委員 sooya@donga.com