●ウンヘのウンチャン作り
興行の答えは、短い髪で、大声を出し、男性のようにがに股で歩き、胸にさらしを巻いたまま中華料理を食べる男装女性「ウンチャン」役を演じたユン・ウンヘ。劇中の姿が少年のようで、幼い時には「男の子のようだ」と言われたのではないだろうか。
「一度もありません。私は長女です。実は男装女性の役をすると言うと、周りが心配してくれました。ウンチャンを作るために男性の手の動作だけでなく、爪、手先、頭、眉毛などすべてを観察しました。がに股で座ったり歩いたりする姿、話す時は荒く吐き出すような姿が見えました。(笑い)紳士より周辺のそそっかしく振る舞う男性を見本に練習しました」
きれいに見えないかもしれない役は最近の若い女優たちが避ける対象だが、ユン・ウンヘは自信に満ちている。
「怖かったら、この作品を引き受けませんでした。きれいに見せようとしなくても、多くの方々から今かわいがられています」
実は、ユン・ウンヘは「本当の」男性のようには見えない。本当に男性のように大柄で険しい女性が男装を演じ、男性のように行動すれば、果たしてこのような反応があるだろうか。キーワードは男装女性ではなく「誰が男装をするのか」だ。ユン・ウンヘの独特で大きくて善良に見える目、ふっくらとした可愛い印象が、「ウンチャン」をただの少年ではなく「美少年」にし、これが視聴者から人気を得た。
●トムボーイ、ウンヘで生きていく
くしゃくしゃのシャギーカット、だぶだぶのTシャツ、新しい運動靴など劇中のウンチャンのファッションは、一名「トムボーイファッション」と呼ばれ、若い女性の間で流行っている。このファッションはSラインやセクシーなど過度に女性の性を強調する社会に対する女性たちの反旗と解釈されたりする。
「私の影響というより飾り気のないイメージが魅力的です。普段は楽にジーパンとTシャツをよく着ます。ただウンチャンのように男性のようなイメージではなく(笑い)、女性らしく、楽に着ます」
ユン・ウンヘは、『宮』(MBC)『ぶどう畑のその男』(KBS)など出演するドラマごとに興行を記録し、『新しいドラマの女王』と呼ばれている。しかし、まだ発声や演技力が足りないという批判も受けている。ユン・ウンヘの成功の秘訣は演技力ではなく、自分にぴったりのキャラクターを選ぶ能力だという意見もある。
「すべての演技者が完璧ではありません。私の長所はキャラクターに没頭する力です。ドラマが終わっても、1ヶ月間は撮影する夢を見ます。発音などのテクニックも重要ですが、キャラクターに集中することがもっと重要だと思います。作品の中で演技するキャラクター、そしてその中でできることは何か…、ひたすらそこに集中しています」
劇中のウンチャンのように強く見えると言うと、すぐ柔らかくなったユン・ウンヘ。涙の場面のことを語り出す。
「ウンチャンがバスの中で涙を流す場面、覚えているでしょう。とても大変でした。まだ没頭することも感情を惜しむことも分からなくて、ずっと同じ場面を撮影すると、涙が底をついてしまったんです。演じた役がそれほど多くないので、まだ何かを演じてみたいと言うのは早いですが、無限の役柄が私を待っていると思います」
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