▲検証システムの導入に奔走〓高麗(コリョ)大、延世(ヨンセ)大、西江(ソガン)大、成均館(ソンギュングァン)大、梨花(イファ)女子大の5大学の教務チーム長は、22日、実務会議を開き、学位検証のための共同の対応策について話し合う予定だ。これらの大学が共通の学位検証システムを構築すれば、他の大学も続々と参加するものと見られる。これとは別に、各大学は虚偽の学位を選り分ける独自の検証システムの構築にも取り組んでいる。
延世大はこれから任用されるすべての教員を対象に、米国の大学に近い方式の「学位検証3段階システム」を導入する予定だ。まず教員を採用する学科は志願者の指導教授に直接連絡を取り、学位を取得しているかどうかを確認する。もし、指導教授との連絡がとれない場合は、志願者が卒業した大学の図書館を通じて学位論文を入手し、本物であるかどうかを検証する。論文の入手もままならない場合は、志願者の出身大学に正式に学籍照会を依頼するというもの。
高麗大はこれまで博士号のみ検証してきたが、これからは修士号も出身大学を通じて照会する計画だ。
中央(チュンアン)大は、芸・体能系学科を中心に既存の教員や講師の学歴をすべて調査し直すことを決めた。仁川(インチョン)専門大も市立に転換した直後の1994〜1998年、休暇を利用してフィリピンなど特定地域で集中的に博士号を取得した教員9人をはじめ、全専任教員155人の学歴を再検証している。
慶煕(キョンヒ)大は、国内の学位検証専門業者に依頼し、これから任用される教員の学位を検証する計画だ。
▲学位検証の高いハードル〓海外の一部の有名大学は、国内の大学が学位の検証を要求しても、プライバシーの侵害を理由に学位取得の確認を拒んでいる。とくに、海外の大学の学位のオリジナルを偽造した場合は、学術振興財団も真偽の把握が難しいため、志願者の良心に委ねるほかない状況だ。
このため、大学側は学位の検証に政府が直接取り組むことを望んでいる。
成均館大のベ・ジェヒョン教員人事チーム長は、「外国の大学に学歴照会を要請する電子メールを10通送ると、返信は1、2通ぐらいしか来ない」とし、「学術振興財団が直接国家機関を通じて、志願者の出身大学が認可されているかどうかや、志願者の学士取得の真偽を確認してもらうシステムが必要だ」と話す。
▲授業への支障は必至〓教員の学歴詐称が明らかになった大学は、2学期の開講前に、その教授の担当科目を廃止したり、新しい講師を探したりと、苦労している。檀国(タングク)大は、金オクラン教授が担当していた「文化とアイデンティティ」(学部)と「芸術経営学」(大学院)の2科目のうち、「文化とアイデンティティ」は廃止し、芸術経営学は講師を替えることにしたが、まだ代わりの講師は決まっていない。
同大学のチェ・ジョンテ経営大学院長は、「金教授の問題が開講を間際にして明るみに出たため、新しい教員を探すのは容易ではない」と伝えた。
東国(トングク)大もシン・ジョンア元教授が担当した科目「美術の歴史」を担当する新しい講師を探しているが、まだ決まらない。シン前教授が担当していた別の講義「美術経営」は廃止することにした。
金泉(キムチョン)科学大は、李チャンハ元教授が受け持っていた3科目を、他の教授と講師に振り分けることにした。同大学関係者は、「李教授の講義は、学生たちに人気が高かったので、学生たちの衝撃はかなり大きい」と話す。
明智(ミョンジ)専門大のクォン・ドゥスン入学処長は、「大学の人事委員会の最終決定が出るまでは、チャン・ミヒ教授に演技実習の科目を引き続き任せる計画だ」と話した。しかし、人事委員会でチャン教授を解任または罷兔した場合、正常な授業は困難となる見通しだ。