「何をするかというビジョンを提示することが最も重要だ。未来志向的かつ具体的な政策開発に集中せよ」
李明博(イ・ミョンバク)ハンナラ党大統領選候補が24日、ソウル汝矣島(ヨイド)の党本部に初めて出勤し、党の進むべき方向を提示した。李候補が、党内選挙で他の候補との差別化を図り勝利できた原動力である「ビジョン」と「未来志向的政策」のキーワードを本選でも引き続き使用する意志を明らかにしたのだ。
李候補は同日、党本部に設けられた候補室で、党幹部から4時間30分にわたって党務報告を受けた。李候補は主に報告を聞いたが、経済分野関連の報告では、時折り問い返し、自分の意見も述べたりしたという。
▲「大統領選挙準備団はできるだけ早く、選挙対策委員会は9月末に発足を」〓李候補は、「大統領選挙を準備する大統領選挙準備団はできるだけ早く構成し、選挙対策委は9月末に構成すればいいだろう」とし、「候補秘書室長などの党役員の人選は早ければ週末にも実施する」と述べたと、羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)党スポークスマンが伝えた。
現在、人事説が流れている党役員は、候補秘書室長と事務総長、スポークスマンなどだ。有力な候補に上がっている人物は、秘書室長では、任太熙(イム・テヒ)、権哲賢(クォン・チョルヒョン)、崔炳国(チェ・ビョングク)議員と尹汝雋(ユン・ヨジュン)前汝矣島研究所長だ。事務総長には、権五乙(クォン・オウル)、李方鎬(イ・バンホ)、安鍫律(アン・ギョンニュル)議員が、スポークスマンには、羅卿瑗スポークスマンの留任説とともに、朴亨逷(パク・ヒョンジュン)、鄭鍾福(チョン・ジョンボク)議員らの名前があがっている。しかし、李候補の意中が明らかになっておらず、予想しなかった人物が抜擢される可能性も排除できない。
李候補サイドの一部では、秘書室長は候補を近距離で補佐し、事実上李候補の代わりをする地位であり、李候補の「腹心」を座らせなければならないという声が出ている。事務総長も、大統領選挙で後援金を含む資金を管理し、組職を管掌する地位であり、「コード」が合わない人物に任せることは難しい。
李候補は27日に行われる院内代表選挙に介入するなとも指示した。李候補は、「院内代表選挙は議員どうし自然にしなければならない。誰が登録したかも知らない。この部分には関与しない」と述べ、「(私の)陣営に所属した議員たちが関与することはありえない」と線を引いた。
▲「科学的根拠による漸進的な変化を果たす」〓李候補は同日、「実質的で漸進的な党の変化」を強調した。
李候補は、「今回の大統領選挙を前の選挙と同じようにはしない。慣例にばかり執着せず、新しいことを調和して加えよう。刷新は、人を一人替えてできることではなく、少しずつ変化して国民に近づくことだ」と強調した。
李候補は、「ただちにCI(企業イメージ)専門家に、ハンナラ党のイメージがどのように映っているのか、詳細に調査するように依頼せよ。ハンナラ党自ら守旧保守とは言わず、国民がハンナラ党と言えば守旧と考えるのか、経済を思い浮かべるのか、科学的根拠を持って接近しなければならない」と述べた。
また李候補は、「広報もみな専門家に任せよう。候補が干渉すれば、台無しにする恐れがある」と述べ、広報の重要性を強調した。党内選挙の過程で、広報と映像分野で朴槿恵(パク・クンヘ)前代表陣営に後れをとったという評価が出た点を意識した発言とみえる。
李候補は政策と公約についても、「実質的で実践できる素材を開発せよ。教育問題といえば、学費を実際どれだけ減らせるのか、具体的な方法を提示しなければならない」と強調した。
李候補は昼食のためにしばらく席を離れ、党本部の記者室を見回し、記者たちが盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の記者室統廃合に対する意見を聞くと、「どうしたらいいか。記者がいいというやり方にしなければならない。ところで、なぜ任期末に突然あんなことを考えるのか」と反問した。
▲「検証委員、最も会いたい人になった」〓李候補は、国民検証委員会、党内選挙準備委員会など、党内選挙を管理した実務陣と昼食をとった。李候補はこの席で、「検証を受ける時は、検証委員に二度と会わないと考えたが、党内選挙が終わったので、真っ先に思い浮かぶ会いたい人になった。あの過程で、もっと強くなれ、もっと学ぶことができた。本選の過程でも、アフターサービスをしてもらいたい」と述べた。
李候補はさらに、国会議員会館で開かれたハンナラ党補佐陣協議会主催のワークショップに立ち寄り、「党の和合を通じて、政権交代を必ず果たそう」と訴えた。