鄭允在(チョン・ユンジェ)元大統領府秘書官(43)が、釜山(ブサン)建設会社オーナーの金サンジン被告に関連したさまざまな疑惑を解明するためには、5〜6年前に二人の出会いを取り持った金氏の実兄(44)への検察捜査が欠かせないものと見られる。
▲二人の間での実兄の役割は?〓検察関係者は2日、「まだ金サンジン被告への裏付け捜査も十分でないのに、兄を召還するのは時期尚早」と言い、現時点では兄への召還計画のないことをほのめかした。
しかし、同容疑者が鄭元秘書官の実兄との親密なよしみで、弟を鄭元秘書官に紹介した当事者であるだけに、調査は欠かせないもようだ。
兄弟の関係は最近になって遠ざかっているとされているが、兄は05年、蓮山(ヨンサン)8洞のPマンションの再開発事業の施工を受け持った弟の(株)イルゴンの取締役として在職し、同事業の撤去工事にも参加した。
また、自分がかかわっている(株)ハヌル開発は、釜山釜谷洞(ブサン・ブゴクドン)のイルゴンと同じビル内にあって、事実上、蓮山マンション事業の系列会社だったことがわかる。兄は東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「弟がマンション事業をやることになったいきさつなどの正確な推進過程については何も知らない」と話したことがある。
▲5日間で三つの会社名を変更〓先月、鄭祥坤(チョン・サンゴン)元国税庁局長が逮捕された後、金兄弟が実際の所有者である会社では大きな変化が起きている。
登記簿謄本の確認結果、今年初頭、故意に廃業したハンリム土建(株)やジュソン建設(株)を除いて、二人が実際の所有者であるイルゴンや(株)スカイーシティー、ハヌル開発は、先月16〜20日の間に、(株)UCDや(株)UCDインターナショナル、(株)UCDパークへと、それぞれ会社名を変更した。事実上、同じ系列会社へと変更したわけだ。
会社名を変えた時期も絶妙だ。金容疑者が先月27日、拘束適否審査制で釈放され、先月9日、鄭局長が逮捕されて少ししてから、3社を類似商号で登録したわけだ。蓮山8洞のマンション施工会社であるP社との下請け契約が10月と予定されており、裁判が始まる前に事業を片付け、利を食うという金容疑者の思惑がはっきりと見えるカラクリだ。
業界関係者は、「横領金額が多く、拘束事由が十分だと予想されるや、とりあえず、拘束適否審査制を利用しての釈放を受け、在宅起訴の状態で直接マンション再開発事業を片付けようとした思惑があるのではないか」と語った。
いっぽう、金容疑者は自分の顔を知らない記者たちが釜谷洞オフィスを訪ねるや、「社長はいま席をはずしている」と、メディアをはぐらかしたり、携帯電話や事務所の電話番号を変え、釜山の某処で暮らしているという。
兄も同じく、外部との連絡を絶っている。兄弟と親しい鄭元秘書官は4日、新羅(シルラ)大学国際関係学科で2学期の2回目の講義を行う予定だ。
toto@donga.com surono@donga.com