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「ヒル次官補、ライス長官に報告せずに金桂寛次官と面談」

「ヒル次官補、ライス長官に報告せずに金桂寛次官と面談」

Posted September. 05, 2007 03:03,   

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▲ヒル次官補の水面下の努力〓ヒル次官補は周知のように、05年9月の6者協議の合意後、平壌(ピョンヤン)訪問を図ったが、強硬派の反対にあって挫折した。反対を突破するために、ヒル次官補が出した会心の構想は、ネオコン・グループの後援を受けるレフコウィッツ北朝鮮人権特使の同行訪朝カードだった。

ライス長官とヒル次官補は05年3月、平壌訪問が可能性かどうかを話し合った。当時ライス長官は、「クリス、あなたが平壌へ行くことはできる。しかし北朝鮮は、(政治的プレゼントと見なされる米国高官の平壌訪問を)ただで受けられると考えてはならない」と述べた。

ヒル次官補は、「第3者がいない米朝2国間対話」が徹底して禁じられていた05年7月、この原則を破って、北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官と北京で3時間近く面談した。中国高官の釣魚台晩餐の招待に両国高官が応じるという形だった。

ヒル次官補はその日の朝、万里の長城を見物している時に、北朝鮮が「中国が入るのなら、行かない」と言い張っていると聞いた。ヒル次官補は、晩餐の招待者である中国高官が出席しない可能性があるという事情を知ったが、ライス長官に報告しなかった。実際、晩餐には中国高官は出席しなかった。

晩餐が開かれたその日北京に到着したライス長官は、一足遅れて報告を受けた席で眉をしかめた。しかしヒル次官補は、「金次官が、(ほぼ1年ぶりの)6者協議復帰という朗報を伝えた」と危機を回避した。当時、韓国政府の当局者は、「誰が先に晩餐を要請したかは公表できない」と口を閉ざした。ケスラー記者は、「ヒル次官補の提案だ」と伝えた。

ライス長官は、中国の李肇星外交部長に会って、「なぜこっそり抜けたのか」と問い詰めた。李部長は、「手続きよりも(協議復帰の朗報という)結果に注目してほしい」となだめた。

ヒル次官補のマスコミ広報の執着も、本で紹介された。ヒル次官補は、マスコミの扱いに長けたリチャード・ホルブルック元国連大使の門下生らしく、マスコミとの接触を楽しんだ。しかし、「あまりもマスコミに時間を使うため、交渉戦略づくりの時間が足りないらしい」という評価もある。

ポーランド大使だったヒル次官補は、韓国大使に赴任するためにロビー活動をしたということも書かれた。しかし、ケスラー記者は、「誰にどのように」ロビーをしたかについては言及しなかった。

▲中国の北朝鮮支援〓全体的に中国は、北朝鮮の核問題に積極的には介入しなかった。ヒル次官補が05年3月、中国政府に「北朝鮮に供給する原油をストップしてほしい」と要請した時、中国は「そうするとパイプラインが故障する」と無茶な返答をした。

ライス長官が05年1月の認証聴聞会で、北朝鮮のことを「圧政の拠点(Outpost of Tyranny)」と言ったことがある。ケスラー記者は、馬鹿げたことだったと断定した。ある中国高官は、「ライス長官は、発言を取り消すべきだ」と主張した。

▲偽ドルの障害〓ライス長官は05年3月と7月に、中国の胡錦涛国家主席に2度会った。その度に、「北朝鮮が偽ドルを製造したので、ブッシュ大統領はこれを阻止する義務がある」と述べた。胡主席は、外交部の報告を受けたところで、その深刻さに共感した。米法務省が、台湾の暴力組職「三合会」の北朝鮮製偽ドル紙幣の密輸をニュージャージーとカリフォルニアで一網打尽にしたと発表し、同問題が水面上に上った8月以前から、米政府の北朝鮮圧迫は予定された手順だった。

ヒル次官補は、韓国記者に会う度に、「バンコ・デルタ・アジア(BDA)というマカオの銀行を調べた。しかしそれが重要だとは分からなかった」と説明した。しかしケスラー記者は、「財務省と法務省は、BDA銀行が主なターゲットだという点を事前に国務省に十分に説明していた」と書いた。

▲ブッシュ大統領の平和協定構想〓昨年11月のベトナムでの韓米首脳会談で、ブッシュ大統領は、米朝平和協定を結ぶことが可能だと述べた。しかし、このような考えは、昨年4月にワシントンを訪問した胡主席との昼食会談で初めて取り上げられた。米国の交渉家たちが、具体的な政策案をめぐって討論していた状況だった。胡主席はその席で、「特使を平壌に送り、ブッシュ大統領の突破口模索の意志を伝える」と約束した。しかし、中国のメッセージ伝達とは無関係に、北朝鮮はミサイル発射(7月)および核実験(10月)を強行した。

▲米国の意地〓05年9月の6者協議の合意の過程で、米国は強情な姿勢を捨てず、中国の圧迫を受ける立場になった。

6者協議代表団が9月19日に最終合意を導き出した後、発表を控えて緊張を緩めた頃、ライス長官がヒル次官補に電話をかけた。最終合意文に書かれた平和共存(peaceful coexistence)という表現が、北朝鮮体制の認定と解釈される恐れがあるという強硬派の抵抗のためだった。ヒル次官補は、文句の修正を中国に求めたが「馬鹿げたことだ(ridiculous)」と非難された。

結局、英文表現は、「平和的に共存する(exist peacefully together)」という内容に修正された。中国は、「漢字で書けば、どうせ同じことだ」として、中国語の発表文の修正を拒否した。韓国、日本、ロシアも修正しなかった。



srkim@donga.com