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[オピニオン]パートナー貧困

Posted September. 21, 2007 07:43,   

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人間関係を「これかあれ」式で見る人々がいる。気の合う人がいればすっかりはまってから相手が自分ほど集中していないと感じればきっぱりと切ってしまう。このような事が繰り返されればますます一人ぼっちになる。建国(コングク)大学医大神経精神科の河智賢(ハ・ジヒョン)教授は「現実にない理想的な関係を目指すため」とし「雲に向かった人間関係の期待値を下げるように」と助言する。「関係に対する現実的な期待値」を持つと失望も減るとのことだ。

◆変化に富む人間関係を「観念」に縛りつける人々がいる。ストーカーとは「愛が変わることを認めない人」という言葉もある。映画『春の日は行く』の男性主人公のサンウは女性主人公のウンスに「愛がどうして変わるの」と急き立てる。しかし、人も変わり愛も変わる。人々は愛に対する信頼が崩れる瞬間の空しさ、永遠でない愛と関係の属性を悟りながら春の日(人生)を過ごすのだ。

◆デジタル時代の人類は新遊牧民と呼ばれる。暮らしの中で移動性の比重が大きくなるだけに人間関係の変化の幅も大きい。意志さえあれば職場も移し連れ合いも変える。永遠な関係はない。固定した時代の人間関係は持続性が最大の価値だったのかも知れないが、激しい変化の中で生存と繁栄を悩む新遊牧民には人間関係も経営の対象だ。限られた時間と費用を效率良く使うためにはただ顔が広いよりは選択と集中が求められる。

◆国際関係も同じだ。未来学者のアルビン・トフラー氏が「韓国外交は米国、中国、日本をまったく同じ距離(等距離)で扱い、いざ友達(パートナー)を失ってしまった」と話した。表向きには友達が多く見えるが、信じられる友達は一人もいなくなったとし、このような状態を「パートナー貧困」と語った。実はパワー論理が支配する外交舞台で強大国に囲まれた我が国に「等距離外交」とは現実にない観念や加工の世界ではないか。こちらも良くてあちらも良いという式の中立は強大国の美徳であって、我が国のように「狭間にある国」には合わない。トフラーの診断を刻み、外交の想像力も雲の上から地に引き下ろすことだ。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com