Go to contents

[オピニオン] 国民差別

Posted September. 22, 2007 08:45,   

한국어

新聞社の国際部の記者たちは、たびたびこのような自嘲的に語る。「インドでは1000人が死んでも無視していいが、米国では10人が死んだら記事を書かなければならない」。人間は誰もが尊い存在だが、災害の頻繁に起こる国、それも人口が10億人を超える国の国民と、超大国、米国民とのニュースの重みは同じわけがないという現実への自嘲的な話だ。そういえば、同じ韓国国民も、場合によっては異なる待遇を受ける世の中だから、国家ごとの差別ぐらいたいしたことではないかもしれない。

◆アフリカ・ソマリアの海域で武装海賊たちの拉致され、4ヶ月以上抑留されている「マブノ号」の韓国人乗組員の家族たちが、一昨日、外交通商部を訪ねて鬱憤をぶちまけた。「アフガニスタンの人質たちと同じ国民なのに、どうしてこのように対応のやり方が違うのか」ということだった。「政府は渡航の自制を要求したところに宣教活動を行って拉致された人質たちは助け出したのに、生計のため働いた末に拉致されたわが家族に対しては、手を拱いているではないか」という抗議のためだった。ごもっともな話だ。みんな、同じく税金を払う国民なのに、一方は大統領まで出て助け出し、他方は見捨てたかのように見受けられるから、憤りを感じるのも当然だろう。

◆「アフガンの人質は23人のうえ、時々刻々殺害の脅威にさらされたが、拉致された乗組員は身代金を狙った拉致であることがはっきりしているからだ」というかもしれないが、それはとんでもない話だ。乗組員たちも極度の恐怖の中で毎日を過ごしている。家族たちは、「海賊たちは頻繁にぶたれ、歯が折れたり、鼓膜が破れた人もいる」というおぞましいニュースまで聞いている。ならば、政府ではより積極的に取り掛かるべきだ。国家情報院(国情院)とはいったい何をするところなのか。アフガンの人質救出のためには写真を撮ったり報道資料まで配りながら、「えらいことをやったでしょう」と言いふらした金萬福(キム・マンボク)院長は、はたしてどこにいるだろう。

◆金院長は、「今後も、わが国民が脅威にさらされれば、死地もいとわず取り掛かる」と述べたが、ならば、ソマリアの人質ははたして外国人だろうか。金院長は昨日、国情院を訪れた盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領から、アフガンの人質を救出したことでほめられたという。盧大統領が拉致された乗組員たちや家族の立場を少しでも考えたなら、彼らの早期帰還ができるように務めるよう関心を示すべきだったが、そのようなニュースは聞かれず、残念だ。大統領府の関係者がそのような苦痛を味わっていると、考えてみたらどうだろう。

方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com