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スタープレーヤーから名監督に 水原三星の車範根監督

スタープレーヤーから名監督に 水原三星の車範根監督

Posted September. 23, 2007 06:28,   

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●「チャブム」が変わった

スタープレーヤーは名監督になれないというスポーツ界の定説は、実際、周囲の期待が大きすぎることゥら出た話だ。期待が大きいだけに失望も大きいはず。スター出身の監督が自身の目線から、あまりにも性急に成績を出そうとしたことが裏目に出るケースも多い。車範根(チャ・ボムグン)監督も確かに試行錯誤を経験した。

「若いときは覇気と冒険心が溢れていましたね。時間が経ってから、あのときには見えてこなかったことが見えるようになりました。今は、もっと考えて慎重に決定しています」

車監督は自身が変わったことを認めた。2004年にチームを任されて早々にKリーグ優勝カップを手にしたし、2005年には下位圏に落ちたが、2006年に準優勝、今年は上位の成績をあげながら堅調に勢いに乗っているが、その原動力は変化の力だ。

選手たちの目線に合わせて指導し、周囲を振り返りながら悩んでは決定していく余裕がチームに活力を吹き込んでいる。李容秀(イ・ヨンス)KBS解説委員は「行動が柔らかくなったし、顔の表情には余裕がにじみ出ている」と話した。

●サッカーへの情熱

「スピードがないとファンを虜にすることはできません。イングランド・プレミアリーグがどうして面白いと思いますか。目を離せられないほどの迫力溢れるプレーが展開されるからです」

車監督は、選手たちに早いテンポを強調している。タックルを受けて倒れても、すぐ起き上がって走るよう指示する。試合をわざと遅延させる選手はひどく怒鳴りつけられる。練習も早いテンポに合わせて実戦のように行う。高い入場料を払って競技場を訪ねるファンへの礼儀だからだ。

車監督はキッカなどドイツのサッカーマガジンやテレビ、ビデオなどを通じて欧州サッカーを綿密に分析して適用するのに殆どの時間を使っている。監督のパソコンにはサッカーに関する資料が満載だ。

●ファンのためのサッカー

「いずれにしても観客席に飛び込んだのは、安貞桓(アン・ジョンファン)が全的に間違っています。スタンドが空いているので一部ファンの暴言が聞こえてしまう特殊な状況でした。欧州では観客席がみっちり埋まって聞こえません。それでも、試合外のことで非難するファンは、欧州にはいませんね」

李官雨(イ・グァンウ)、白智勲(ペク・ジフン)に続いて、今年は安貞桓まで獲得した理由は、ファンサービスのためだ。スターがいてファンも楽しくなるからだ。スタープレーヤーたちが迫力溢れる攻撃サッカーを見せてくれればスタンドは自ずと埋まってくるというのが監督は持論だ。

「平均観客3万の時代を開きたいです。今は2万2000人くらいですが、このくらいだと1979年にフランクフルトに初めて行ったときと同じです。選手たちがやる気を覚えなければなりません。ファンの応援があって選手もやる気が出るし、選手が良いプレーを見せてこそファンも盛り上がるものです」

●Kリーグが発展するためには…

「国家代表メンバーが何人かいるからといって強いチームになるのではない。正直、わが国は選手層が薄いです。1人や2人がケガをすれば戦力に大きな空白ができます。最近のFCソウルもそうじゃないですか。選手層が薄いから、球団間の実力の差も欧州ほど大きくありません。外国人選手さえうまく獲得できれば、弱体チームもすぐ強豪に生まれ変わる構造なのです。結局、国家代表メンバーたちには、Kリーグでプレーすることが最高のトレーニングです。Kリーグ中心の代表チームの運営が韓国サッカーを発展させることができます」

車監督は選手を良く育てるユースシステムを強調した。

「私が17年前にサッカー教室を作りながらユースシステムの重要性を強調しました。ところが、今ごろようやくプロチームがユースに関心を持つようになりました。プロリーグ創設25年目、ワールドカップ4強の国であることが疑わしいです」

車監督は1990年にサッカー教室を作ってユースサッカーの発展に大きな役割を果たしている。車監督は選手の待遇を巡るバブル論争について「市場論理で見ればいいです。薄い選手層のなかで各球団が特定選手を取ろうとしているから選手の待遇が値上がりしているのです」と話した。

●国家代表監督はまだ考えていない

「ははは。私が代表監督を再び担当するのは難しくないでしょうかね?」

1988年のフランス・ワールドカップ大会・1次リーグのオランダ戦で0−5で負けたあと、ベルギー戦を残して突然解任された悪夢は、今も車監督をつらい思いとして残っている。

「代表監督は指導者なら誰もが夢見る目標です。しかし、私はまだ考えていません。水原三星を通じてファンの皆さんに喜びを与える役割に満足しています」

●3代がサッカー人

このころ車監督は長女のハナ氏が生んだ娘孫のチョン・ウィヨンちゃん(2)とインターネットでのテレビ対話をする楽しみにはまっている。

「香港に住んでいる孫娘に『お祖父さん』と呼ばれると可愛くて仕方がないですね。先日、サッカークラブに加入しました。私たちは3代がサッカーをしているのです。ドゥリ(ドイツのコブレンツ)も早く結婚しないといけないのに、まだする気がないと言っているので心配です」

車監督は、今年の秋夕(チュソク=旧暦8月15日の節句)を選手たちと過ごさなければならない。夫人のオ・ウンミ氏が最近チームを移したドゥリの世話をするためドイツに渡ったいて、末っ子のセチ氏(21)もスイスにいるからだ。

「監督としては選手たちを指導することが一番の喜びでしょう。秋夕に選手たちと楽しく過ごしたいですね」

車監督はサッカーの話を語るとき最も幸せな表情になっていた。



yjongk@donga.com