「西海(ソヘ=黄海)北方限界線(NLL)は領土のラインではない」という盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の発言の波紋が広がる中、金章洙(キム・ジャンス)国防部長官は17日、「来月(平壌で開かれる)南北国防長官会談で、NLLを譲歩したり開放したりすることはあり得ない」と明らかにした。
金長官は17日、ソウル龍山(ヨンサン)区の国防部庁舍で開かれた国会国防委員会の国政監査で、大統合民主新党の朴賛石(パク・チャンソク)議員の質疑に、「(NLL以南の地域は)しっかりと韓国が管轄している」として、このように述べた。
金長官は、「西海共同漁労水域を設置して平和水域を設定するのも、NLLが海上不可侵の境界線という原則が守られてこそ可能だ」とし、「共同漁労水域が設定されても、検問のような統制対策を講じなければならない」と述べた。
いっぽう、歴代国防部長官と合同参謀議長などの予備役将校や保守安保団体の会員ら約700人は17日、ソウル松坡(ソンパ)区の在郷軍人会館で、盧大統領のNLL発言の糾弾と謝罪を求める対国民声明を発表した。
郷軍と予備役将校の会である星友会の主催で開かれ、出席者たちは、「盧大統領の発言は、軍の統帥権者として、領土放棄も同然の衝撃と驚愕を禁じ得ない発言であり、命を捧げてNLLを守った西海交戦の戦死者たちの死を無駄にさせる発言だ」と指摘した。
彼らは、「盧大統領は、南北首脳会談で金正日(キム・ジョンイル)総書記と裏でいかなる合意をしたのか、正直に国民に明らかにすべきだ。西海平和協力特別地帯の設置を合意したのは、NLL再設定を前提とした一種の『トロイの木馬』ではないのかという疑念を抱いている」と主張した。
国防部が同日、ハンナラ党の孟亨奎(メン・ヒョンギュ)議員に提出した「北朝鮮船舶のNLL侵犯の現況」によると、南北首脳会談直後の5日と14日、北朝鮮漁船がNLLを侵犯し、韓国の警備艇が出動している。
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