ハンナラ党の内輪もめがますます見ものだ。2度も大統領選挙に出馬して敗れた李会昌(イ・フェチャン)元総裁、02年の大統領選挙で党代表として李会昌候補の選挙対策委員長を務め、今回の党内選挙では朴槿恵(パク・グンヘ)前代表を支持した徐清源(ソ・チョンウォン)顧問、そして李明博(イ・ミョンバク)候補の「側近実力者」とされる李在五(イ・ジェオ)最高委員の3人の行動は、実にぶざまで嘆かわしい。
李最高委員の「虎の威を借る狐」の態度は実に見苦しい。李最高委員は29日、ある日刊紙とのインタビューで、「党内にまだ李明博候補を認めない勢力がいるが、決して座視しない」と語った。大統領選挙を控えた公党で、どうしてこのような脅迫まがいの発言が出るのか。すぐさま「座視しないなら、どうするというのか」と反発が出たのも無理もない。にもかかわらず李最高委員は、最高委員会で姜在渉(カン・ジェソプ)代表が自制を求めると、こぶしを握り締めてテーブルを叩き、「まだ党内選挙中だと思っているのか」と怒鳴りつけた。
合法的に選ばれた大統領選候補を助けるのが、党にいるすべての人の責務である。だからといってハンナラ党は李候補1人が支配する政党ではない。過去の「帝王的候補」のように、力で支持を強制することもできない。党員たちが心を開いて助けるように誘導することが、李候補と周辺の人々がすべきことだ。にもかかわらず李最高委員は、分裂の溝ばかり大きくしている。
約4000人も参加した徐清源顧問の大規模登山も、政治道義に反することだ。個人の私組織だというが、党内選挙で朴前代表を支持した外郭組職である。もし、来年の総選をねらって「持分確保」の次元で実力行使をしたのなら、これほどの旧態もない。
徐顧問は、ハンナラ党のレッテルとなった「不法政治資金」の主役だった。ある実務党役員は最近、「私たちが1ウォンを節約していた時に、すぐ隣の部屋で数百億ウォンの金がやり取りされていた事実を知り、李総裁と徐代表に裏切られた思いがした」と吐露したことがある。そのような話を聞いても、徐顧問は感じることはないのか。
李元総裁はこのような状況でも、「今は今、あの時はあの時(此一時彼一時)」という禅問答で政界引退を覆し、「大統領選三修」を悩んでいるという。そのような機会主義的な振る舞いが、李元総裁が本まで出して強調した「美しい原則」なのだろうか。政権交代のためには、李明博(イ・ミョンバク)候補が途中下車する場合にも備えなければならないという主張は、「クーデター的発想」も同然だ。夢想家でなければできない発想である。