一度のミスで生涯を通じて培ってきた名声が地に落ちるとしたら、どのような心境になるだろうか。空が崩れるような気持ちではないだろうか。
サッカー韓国代表チームの「鉄壁のゴールキーパー」李雲在(イ・ウンジェ、34、水原三星)がまさにそのような気持ちだろう。彼は韓国を代表するサッカースターだ。2002韓日W杯の時、スペインとの8強・PK戦で見せた彼のプレーは世界を驚かせた。李雲在の体を張った防御は「4強神話」の原動力だった。彼は2006ドイツW杯でも主力としてプレーし、2007アジア大会でもPKまで持ち込まれたイランとの8強戦、日本との3位決定戦でも隙のない防御で韓国を勝利に導いた。
このような彼が2007アジア大会の期間中、酒を飲んだことが明らかになり、これまで蓄積してきた業績はもちろん、選手生命まで脅かされている。一緒に酒を飲んだ禹成用(ウ・ソンヨン、34、蔚山現代)、金相植(キム・サンシク、31、城南一和)、李東国(イ・ドングク、28、ミドルスブラ)も似たような境遇に置かれている。禹成用は、代表チームでは大きな活躍ができなかったものの、Kリーグの看板スターとしてファンに親しまれており、金相植と李東国は、まだ国家代表として活躍できる選手だ。
理由はともあれ、彼らの行動は非難されるに値する。誠意を尽くして応援を送ったファンの期待に背いたからだ。しかし、彼らも人間だ。人間はミスを通じて成長するという言葉もある。一度のミスで彼らのサッカー人生が終わるとすれば、苛酷過ぎるのではないか。
日本や欧州の場合は、プロ選手が代表チームの召集期間に今回のような「飲酒波紋」などミスを犯した場合、代表チームに選ばない懲戒処分で済ませる。選手はプロチームの資産なので、プロリーグの出場までは禁じないのが慣例である。そうすることで、彼らも選手生命を維持することができるからだ。
数年後に引退する李雲在と禹成用、そしてまだ韓国のサッカーのために活躍しなければならない金相植と李東国に罪を償わせる一方で、さらに熱心にプレーできるチャンスを与えてはどうか。
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