南北首脳会談で合意した「3ヵ国または4ヵ国首脳の終戦宣言」の形式および時期と関連して、「非核化の達成なしに終戦宣言を求めることは無理な試みであり、任期末の成果づくりではないのか」という一部政府と学界の指摘が続く中、金万福(キム・マンボク)国家情報院長が先月30日、大統領府の援護に乗り出した。
金院長は「国政ブリーフィング」への寄稿文で、「『9・19共同声明』(05年)と『2・13合意』(07年)で、関連当事国が適切な別途フォーラムで和平体制の交渉を開始することを決めている。終戦宣言を皮切りに和平プロセスを始めるのは当然のことだ」と主張した。
▲火を絶やすまいとする大統領府と国情院〓金院長は、「終戦宣言は当事者たちの意志と状況を考慮して推進しなければならない」としつつ、「特に信頼構築が必要な当事者間には、本格的な和平体制構築に先立ち、信頼構築の道具としてかなり有用だ」と主張した。
さらに、「終戦宣言の推進に定石は存在しない。韓半島和平体制の構築に貢献するなら、終戦宣言の形式と時期にこだわる必要はない」と明らかにした。
これに対して、成均館(ソンギュングァン)大学政治外交学科の金泰孝(キム・テヒョ)教授は、「終戦宣言の一当事者である米国が検証可能な核廃棄を前提条件にしており、終戦宣言と和平協定を同じ概念だと明確にしている状況で、情報機関の長が出て、政治的論議を呼ぶ主張をすることは適切ではない」と述べた。
▲困惑の中にも妥協点を見出す外交通商部〓外交部は、大統領府と国情院の「終戦宣言ごり押し」に困惑気味だ。その一方で、内部的には依然として韓半島和平体制を実現する政治的・軍事的コンテンツが満たされていない状態で、「終戦宣言」を首脳レベルで推進することは、法的・論理的に正しくないという考えを曲げていない。ただ、外交部も終戦宣言を「弾力的」に解釈する場合、大統領府と米国の間で一種の折衷点を見出す可能性もあるという態度だ。
宋旻淳(ソン・ミンスン)外交部長官は31日、「まず実務ラインで交渉してみると、厳しい段階で政治的推進力が必要な時がある。その段階で対話の水準が上がる可能性は開かれている」と述べた。
▲原則固守する米国〓現在まで伝えられている終戦宣言および和平協定に関する米国の公式見解は、終戦宣言や和平体制論議の先決条件は「北朝鮮の核兵器および核計画の完全かつ検証可能な廃棄」だ。このため、アレクサンダー・バーシュボウ駐韓米国大使は、「年内に終戦宣言が可能だとは思わない」と述べている。
宋長官は11月7日に予定されたライス米国務長官との会談で、終戦宣言に対する大統領府の「強い意志」を伝える可能性がある。しかし、米国が「原則」を破って「政治的イベント」に応じる可能性は低い。
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