専門家たちは株式市場を通じた資金調達の必要性を感じていない企業が多い上、上場以降の様々な規制と干渉にうんざりする大株主が少なくないことを指摘する。
●株価は上昇、ＩＰＯ総額は減少
１５日の韓国証券先物取引所によると、０２年末６２７．５５だったＫＯＳＰＩ指数は今年１０月末現在、２０６４．８５と３．３倍になった。
しかし、ＫＯＳＰＩ市場の上場企業数は６８３社から７４２社へと８．６％（５９社）増にとどまっている。特に、年間ＩＰＯ（新規公開株）総額は０２年５兆９６９８億ウォンだったのが、昨年は２兆６６８１億ウォンに５５．３％（３兆３０１７億ウォン）減少した。
一方、アジア地域の証券取引所では、ＩＰＯ総額は０２年２５０億ドル（約２２兆５０００億ウォン）から昨年３．６倍の９１０億ドルに増加した。
また、世界の金融センターを目指すロンドン、ニューヨーク、シンガポールなどの証券取引所は、外国企業の上場誘致をめぐる激しい競争を繰り広げている。
ロンドン市場の場合、外国企業の新規上場規模は０４年１９億ドルだったが、昨年２２０億ドルへと１０倍以上増加した。
ある経済専門家は、「ここ数年間の全般的な株価上昇は、非上場優良企業が上場をしていないため、需給面で市場の『需要超過』が続いたのも大きな原因」と分析した。
●厳しい上場条件と外部干渉及び規制
上場をためらう企業は、上場の手続きが煩雑である上、あえて外部から資金を調達する必要がないと判断しているためだと説明する。また、上場企業に対する有形・無形のあらゆる干渉や規制、それに伴う経営権行使の萎縮も企業公開を嫌う要因となっている。
韓国証券研究院が最近、非上場法人の１４３３社を対象に行った「上場しない理由」に関するアンケート調査によると、回答企業２８９社のうち２２．６％は、「資金調達の必要がないため」、７．０％は「煩雑な上場手続きのため」と答えた。
現に、韓国では上場には１５項目の条件を満たさなければならない上、上場審査にも３ヵ月以上かかるが、米国や香港の場合は審査は３週で終わる。
韓国証券研究院のカン・ヒョンチョル研究委員は、「大株主がコストパフォーマンスを考え、あえて煩雑な手続きを踏んで上場する理由がないと判断しているようだ。上場すれば外部からの干渉が増え、経営権を脅かすリスク要因になりかねないという懸念もあるだろう」と述べた。
数年前、ＫＯＳＤＡＱ市場に上場したＣ社の役員は、「事業計画が少しでも繰り延べされれば失敗と受け止める外部株主たちが株式を売り出したり、抗議することが多いため、上場取りやめまで考えたことがある」と話している。
実際に多くの非上場企業の大株主は「企業公開をしても面倒なことが増えるだけ」と思っている。
しかし、収益基盤が安定し、将来の成長可能性が高い企業が上場を避けるのは、長期的に韓国証券市場と経済発展にマイナスになるという指摘もある。
カン研究委員は「上場の活性化は資本市場の発展の第一歩。上場を誘うためには企業に対する不要な政府及び社会の干渉を減らす必要がある」と強調した。
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