「どうしてそんなに多く出場させたのか」
競泳の元代表監督をはじめとした水泳の専門家たちが、国際水泳連盟(FINA)競泳ワールドカップ(W杯)(短水路)で大活躍し、9個の金メダルを獲得した「マリン・ボーイ」朴泰桓(パク・テファン、18、京畿高)に対して抱く疑問だ。
技量点検のため1度くらい出場するのは理解できるが、3大会も出場したのは理解しがたいということだ。朴泰桓と実力を競い合えるグラント・ハケット(豪州)やマイケル・フェルプス(米国)などワールド・スターが全然出なかった状態で、朴泰桓のレース秘法が公開され、08北京五輪で不利かもしれないという話だ。
とにかく朴泰桓は今回のW杯で「五輪金メダル」の可能性をうかがわせた。
200mと400mで個人最高記録をそれぞれ1秒16、3秒31短縮させた。ショートコース(25m)とロングコース(50m)が多少差はあるものの、このようなペースで記録を縮めれば、五輪金メダルも十分可能だという分析だ。
200mと400mロングコースの世界記録は1分43秒86(フェルプス)、3分40秒08(イアン・ソープ)。朴泰桓(1分46秒73、3分44秒30)の記録とは大きな差がある。アテネ五輪ではそれぞれ1分44秒71、3分43秒90が優勝記録なので、朴泰桓の記録と大差ないが、競争が激しく変数が多いというのが専門家たちの指摘だ。結局、競争が少なく安定的な1500mに集中するのが、金メダルの可能性が高いということだ。
体育科学研究院のソン・ホンソン博士(運動生理学)は、「1500mの場合、ある程度記録を縮めておけばこれといった変数がない。筋持久力とパワーを補強すれば、五輪で金メダルを十分に取ることができる」と言った。
現在、朴泰桓の1500mの記録は14分55秒03.ハケットの世界記録(14分34秒56)と20秒の差だ。しかし、04アテネ五輪の優勝記録が14分43秒40だから、14分40秒台半ばで1位が決まるから、朴泰桓が記録を10秒くらい短縮できたら十分に金メダルは可能だ。
朴泰桓を専担指導している朴ソッキ元競泳代表チーム監督も、「持久力補強が急がれる。12月に豪州転地トレーニングに行き、持久力トレーニングに集中する」と言ったのも、このような理由からだ。
yjongk@donga.com