「フィギュア女王」金妍兒(キム・ヨンア、17、軍浦スリ高)が世界フィギュアの歴史を塗り替え始めた。金妍兒は24日、ロシア・モスクワのアイスペリスコディンカリンクで行われた07〜08シーズングランプリ第5戦「ロシアカップ」女子シングルフリースケートで、歴代最高点数の133.70を獲得、前日のショートプログラムの点数(63.50点)を合わせ、197.20点で優勝した。197.20点は金妍兒の個人最高記録。
3月、東京世界選手権ショートプログラムでも歴代最高点の71.95点を獲得した金妍兒は、これでショートプログラムとフリースケートでいずれも世界最高記録を保有することになった。
特に、今大会フリースケート歴代最高点の意味は大きい。今季、一層強化された採点ルールのため、ほとんどの選手が自己最高点に大きく及ばない成績を出している状況下で達成したものだからだ。世界ランキングは、同い年のライバル浅田真央(日本)に次いで2位だが、事実上のフィギュアチャンピオンは金妍兒であるということを「宣布」したも同然だ。
金妍兒は今大会の優勝で、第3戦の中国大会に続き連続優勝を果たし、来月13日のイタリア・トリノで行われるグランプリ・ファイナル進出を確定した。グランプリ・ファイナルはグランプリシリーズ上位6人だけが出場する「キング・オブ・キングス」大会で、昨季は金妍兒が優勝した。
金妍兒は、グランプリ・ファイナル2連覇と共に夢の200点に挑戦する。2004年から採点ルールが変わった現在のフィギュア採点制で、まだ女子シングルの選手が総合点200点を越えたことはない。現在の最高点は、浅田が2006年、NHKトロフィー大会で記録した199.52点。
しかし、浅田は今季2回の演技で180点台にも及ばない成績に止まっているため、200点に挑戦する選手としては今季、唯一金妍兒だけだというのが専門家の評価だ。
フィギュア演技は、決まった技の組み合わせからなるが、金妍兒が他の選手より飛びぬけて高い点をつけられる理由は、基本点に加え、審判の判断で上乗せされる加算点が高いからだ。金妍兒はまさに「加算点の女王」と呼ばれるに値する。同じ3回転ジャンプでも、金妍兒は技の正確さ、跳躍の高さ、空中姿勢などで他の選手より優れているということだ。
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