「厳格な証拠の法則と正確な法理判断を唯一の基準とし、『あることはある』とし、『ないことはない』とはっきり言う」
林采珍(イム・チェジン)検察総長(55)が26日、就任のあいさつで、「BBK株価操作事件」の捜査結果発表の原則としてこのように述べた。
今回の事件については結果をはっきりさせるという意志を明確にしたようだ。今年8月、ソウル江南区道谷洞(カンナムク・トゴクトン)の土地の借名保有疑惑について、「第3者の所有と見える」というあいまいな表現で論議を呼んだことを念頭に置いたもようだ。
林総長は就任式の後、記者団に対し、「『あることはある、ないことはない』という言葉は、普段から後輩検事たちに徹底した事実関係の確認を強調する意味で使う表現だ」と説明した。
また、同日の就任式で、「大統領選挙は、検察の不偏不党と公明正大さが評価される絶体絶命の試験台だ」と強調した。
しかし、捜査結果の発表時期については具体的に明らかにせず、「国民的関心が集中した各種懸案事件は、最大限迅速に最大限公正に処理する」とだけ述べた。
いっぽう、ソウル中央地検特別捜査チーム(チーム長=崔在卿特捜第1部長)は、金ギョンジュン容疑者(41=拘束収監)が最近提出した契約書と書類がすべて英文で作成された点を考慮して、書類の分析と翻訳を担当する英語に長けた検事2、3人を補強するなど、捜査チームを再整備した。
検察は、「00年2月に李候補が投資諮問会社BBKの保有株式を金ギョンジュン容疑者に売却した」という内容が記されたハングル契約書の真偽の究明だけでなく、金容疑者が検察に追加提出した英文の契約書と書類の分析に捜査力を集中させている。
検察は、金容疑者がコーネル大学を卒業したエリートであるうえ、契約書と会社の内部書類の大半が英文で作成されているため、一文一文の正確な解釈なしには契約書の作成経緯を十分に把握できないと判断している。
過去、黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大学教授の論文事件やロンスターの外換(ウェファン)銀行廉価買収疑惑事件などでも、検察は膨大な英文書類の分析のために、英語に長けた検事を捜査チームに投入した。
検察の周辺では、捜査結果の発表が、金容疑者の拘束期限満了日(来月5日)より早まるという観測が流れている。検察の新指揮部が、捜査チームを補強してスピードを上げようとしているうえ、政界も「できるだけ早く捜査結果を発表せよ」と検察を圧迫しているためだ。
検察のある関係者は、「時間を長く引っ張れば引っ張るほど、検察に有利にはならない」と話した。
しかし、文書鑑定のスピードと英文書類の正確な翻訳の問題の以外にも、金容疑者側がさらに資料を提出する可能性があり、発表時期を正確に予断できないという見方も多い。
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