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プロ野球のFA制度、得するのは一部スター選手だけ

プロ野球のFA制度、得するのは一部スター選手だけ

Posted November. 28, 2007 03:08,   

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「8億→27億→40億→60億→?」

ストーブリーグに行われる「マネー戦争」が熱気を帯びている。自由契約選手(FA)の金東柱(キム・ドンジュ)は元の所属球団、斗山(トゥサン)が提示した4年62億ウォンの歴代最高年俸を断って市場に出た。

大物FAにはこれ以上ないほど熱いストーブリーグ。しかし、平凡なFAにはぬくもりどころか、冷たい風が吹くだけだ。今シーズンでFA資格を得た選手20人のうち、FA宣言をした選手は6人だけだ。

▲FA制度の「光と陰」〓FA制度は2000年(1999年末の資格公示)から施行された。同年、金東洙(キム・ドンス、LG→三星)と李強迵(イ・ガンチョル、ヘッテ→三星)が、オプション込みの3年8億ウォンで契約した時に登場した「FAメガヒット」という表現は、すでに色あせてしまった。雪だるま式にふくらんだFAの年俸は、5年間で60億ウォン(沈正洙)にふくれあがった。

「FAメガヒット」と共に「FAの陰」も、そのスタートから付きまとっていた。施行初年度にFA資格を得た選手は16人。10シーズン(現在は9シーズン)を主力としてプレーして得た勲章であるが、申請は5人に止まった。5人のうち、ソン・ユソク(元LG)と金ジョンス(元ヘッテ)は市場で選ばれず、一足遅く古巣球団と契約したが、すでに不敬罪がかけられた後だった。ソン・ユソクは年俸凍結、金ジョンスは7200万ウォンから5000万ウォンにカットされ、2人ともまもなくトレードされた。「下手にFA申請をすると、かえって損する」という認識はその時に生じた。

▲選手協・KBOの「FA綱引き」〓選手たちの自由な移籍の足かせになっているのは、強力な補償ルールだ。FAを獲得する球団は、「保護選手18人を除く補償選手1人+獲得選手の前年度年俸の300%」、または「補償選手なしに前年度年俸の450%」をFAの元所属球団に支払わなければならない。

例えば、年俸5億ウォンのFA選手を獲得した球団は、充実した補償選手1人に15億ウォンを支払うか、補償選手なしに22億5000万ウォンという大金を補償金として使わなければならない。

韓国プロ野球選手協会は、韓国野球委員会(KBO)に制度の改善を求めている。ナ・ジンギュン事務総長は、「現行のFA制度は本来の趣旨と違い、一部の選手に大金獲得の機会を与えるものに変質している。KBOがFA資格や補償ルールを緩和しなければ、公正取引委員会に提訴する方針だ」と話す。

これに対してKBOは、それなりに韓国型のFA制度として定着していると主張している。KBOのチョン・グムジョ運営部長は、「選手層が薄い韓国の現実で、FA制度がなかったら、スター選手が大勢海外へ進出して、国内野球は大きなダメージを受けたはずだ」とし、「一部で主張する『FAランク制』(中級選手の補償ルールの緩和)も検討したが、ランク付けなど技術的な部分が複雑すぎる」と言い、FA制度について当面、今の枠組みを大きく修正する考えがないことを示唆した。

FAをFAと言えない多くの選手たちにとって、ストーブリーグは寒いばかりだ。



why@donga.com