北朝鮮の対韓国事業総責任者、金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長が29日、3日間の日程でソウルを訪れる。李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官は28日、ソウル鍾路区三清洞(チョンノグ・サムチョンドン)の南北会談本部で開かれた定例会見で、「金部長ら北朝鮮側代表5人が、南北首脳宣言の履行を中間評価し、今後の推進方向を協議するほか、現場の視察を目的に、陸路で明日から3日間訪韓する」と述べた。
北朝鮮統一戦線部長の訪問は、00年9月の金容淳(キム・ヨンスン)部長に続き2度目だ。
10月の南北首脳会談に同席した金部長は、労働党の対韓国前衛機構の祖国平和統一委員会委員長と対韓国事業機構である朝鮮アジア太平洋平和委員会委員長の肩書きも持つ北朝鮮実力者の一人だ。韓国にあてはめれば、国家情報院長と統一部長官、大統領統一外交安保政策室長を兼職しているということだ。
千皓宣(チョン・ホソン)大統領報道官は28日、「金部長の大統領府礼訪は決まっていないが、大統領の日程を考慮して決定されるだろう」と述べ、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との会談の可能性を示唆した。
金部長と統一戦線部の崔承哲(チェ・スンチョル)副部長、元東延(ウォン・ドンヨン)、カン・スリン室長、李ヒョン参事ら代表5人とサポート2人で構成された北朝鮮代表団は、京義(キョンウィ)線道路を利用して29日午前9時頃、南北出入事務所に到着する予定だ。北朝鮮代表団は、ソウル・シェラトンウォーカーヒルホテルに滞在する。
金部長は、訪問期間中、李統一部長官や国家情報院の金万福(キム・マンボク)院長と会談する予定だ。主要議題は、14日から16日にかけて開かれた南北首相会談で扱われなかった議題になる可能性が高いとされている。
会談消息筋は、「韓半島和平体制に向けた3、4ヵ国首脳の終戦宣言や金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の答礼訪問の問題が、会談のテーブルに上る可能性がある」と見通した。
しかし、首脳会談の履行のための各種会談が順調に開かれている状況で、大統領選挙をわずか20日後に控えて金部長がソウルを訪問することは、一種の「北風」ではないかという指摘が出ている。
北朝鮮も、南北関係を確かなものにしようとする現政府の試みに積極的に呼応する姿勢を見せている。
高麗(コリョ)大学北朝鮮学科の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授は、「首脳会談の合意内容を最大限具体化し、次期政府が簡単には後戻りできないようにしようという意図があるようだ」と話した。
triplets@donga.com