「アナシス(ANASIS)」と呼ばれる軍衛星通信システムは、昨年8月に打ち上げられ、赤道上空3万5786キロ地点、東経113度の静止軌道を回っているムグンファ5号と地上端末装備、衛星官制装備、衛星網運用装備などで構成されている。
総事業費2640億ウォンが投入された衛星通信システムは、8月の運用試験評価を経て、9月には戦闘用適合判定を受け、今月末から実戦運用に入る予定だと、国防科学研究所(ADD)は説明した。
軍衛星通信システムが実践稼動されれば、軍の通信領域が韓半島を中心に、東西には東南アジア・マライ半島のマラッカ海峡から太平洋マーシャル諸島まで、南北には豪州北部からシベリア北端まで拡大する。
これによって、海軍艦艇や軍用機が太平洋地域などで遠距離作戦に出ても、他国の人工衛星に頼らずに、独自の衛星通信網で国内基地とリアルタイムの通信および秘密交信が可能になる。
既存の軍地上通信システムは、火事や洪水などの自然災害だけでなく敵の軍事攻撃にも脆弱で、地形の影響を多く受けたが、衛星通信システムは、音声や文字、映像などのすべての形態の通信が可能であり、山岳地形が多い韓半島地域では軍事的効用性が高いと期待されている。
李サングクADD衛星通信システム開発事業団長は、「衛星通信システムの開発で実質的な陸海空軍の統合指揮統制通信網が確保されたことが最大の成果だ。今後韓国軍は、情報をリアルタイムで共有して統合指揮することができ、効率的な軍事作戦の遂行が可能になった」と話した。
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