李明博（イ・ミョンバク）新政府は、公企業の放漫経営の弊害を減らすため、「シンガポール・テマセック・モデル」を適用した民営化作業を、政権発足と同時に本格推進するものと思われる。
テマセック・モデルは、シンガポールの国営投資会社であるテマセック社が、自国の公企業を民営化する過程で使った方式で、国家が公企業の持ち分を保有するものの、経営は民間の専門家に任せ効率を高める方式のことだ。
２１日、ハンナラ党と企画予算処などによれば、李明博大統領当選者は来年中に、「公企業の民営化推進計画」を立てた後、０９年から段階的に公企業を民営化する予定だ。民営化の方案としてはテマセック・モデルが有力に検討されている。
李当選者の核心側近は、「テマセック・モデルは、李当選者が直接出したアイディアだから、政策に反映される可能性が高い。当選者キャンプの経済ブレーンたちがこれをサポートするため、討論を通じてアイディアを具体化した」と伝えた。
こうなる場合、テマセックのような役割は、韓国の国富ファンドに当たる韓国投資公社（ＫＩＣ）が担当するか、別途の機構を設置し専担させる可能性が高い。
李当選者の選挙キャンプで経済再建特別委員会で副委員長をつとめた黄永基（ファン・ヨンギ）元ウィリ銀行頭取（現・法務法人セジョン顧問）も昨年初め、ウィリ銀行の民営化方案にテマセック・モデルを提案した。
黄元頭取は、「今の国有国営体制から国有民営に行くこととみれば良い。シンガポール・エアラインのようにテマセックが最大株主だが、経営は民間専門家が政府の干渉を受けないで責任経営をする方式だ」と説明した。
シンガポール・エアラインは、世界的な旅行専門誌である「ビジネス・トラベラー」が「０７年最優秀航空会社」に選定した企業で、今年９月末現在、テマセックが全体持ち分の５４．５８％を保有している。
新しい政府の公企業民営化方案が具体化していることから、主務部処である企画予算処は大統領職引継ぎ委員会の業務報告に備え、テマセック・モデルに対する資料収集に入った。
テマセック・モデルは政府の経営干渉排除を前提とするだけに、予算処の公企業管理監督機能も相当部分縮小することとみられる。
これに先だち、李当選者は民営化対象公企業を具体的には明示しなかったが、「民間と競争関係にあるか、設立目的を失った公企業」を段階的に民営化するという公約を出したことがある。
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