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[社説]「先進韓国」の新年が開かれる

Posted January. 01, 2008 03:24,   

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大韓民国建国60周年であり、李明博(イ・ミョンバク)政府の発足を知らせる2008年元日の朝が明けた。一年の開始に対する国民の期待がいつになく大きく見える。新政府とともに国も国民も平安で幸せになることを、東亜(トンア)日報構成員一同、心から祈り、希望を抱く。

新年は、何よりも誇らしい大韓民国のアイデンティティを復元する元年にならなければならない。世界が驚異の目で見つめる韓国の建国と経済・政治発展にもかかわらず、韓国の現代史を自虐と見る史観と勢力が、この5年間国をかき乱した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が先頭に立って、「正義が敗れ、日和見主義が勢力を得た屈辱の歴史」と卑下した。

しかし、60年前、南側だけでも国連決議によって総選挙を実施し、自由民主主義と市場経済の旗の下、大韓民国を建国したことは、幸いな選択だった。住民が食べていくことができず、飢え死にする人が続出する今日の北朝鮮の現実がこれを証明する。

第2次世界大戦の終戦とともに独立した新生国中、わずか40年で産業化と民主化を成し遂げ、先進化の門戸に足を踏み入れた国も、大韓民国が唯一だ。同時期に独立したフィリピン、パキスタン、インドネシア、ミャンマーなどと比べてみれば、誰もが実感できる。フィリピンの場合、1950年代まではアジアで日本の次に豊かな国だった。1955年にフィリピンの1人当たり国民所得(GNI)が190ドルの時、韓国は65ドルだった。しかし今や、韓国の1人当たり国民所得は1万7690ドル(06年基準)で、フィリピン(1420ドル)の12.5倍だ。

欧州の先進諸国は、専制王政から市民民主主義の成立に至る過程が、数世紀にわたって進んだ。韓国はその過程を圧縮せざるをえず、明暗と屈曲があった。しかし、左派勢力の主張のように、大韓民国史が国家の伝統性もなく、独裁と腐敗で彩られ、正義が踏みにじられた歴史だったならば、世界が羨望するこの成就はどこから来たのか。

この5年間の韓国社会は、世界の潮流におくれた理念論争で時を虚しく過ごした。絢爛たるレトリックと時代遅れの左偏向イデオロギーが国政を混乱に導き、多くの国民に傷と苦痛を与えた。国民が「李明博次期大統領」を通じて選択した2008年の時代精神は、うわべばかりの虚しいスローガンや饒舌はやめ、実質と民生の核心をつかめということだ。

私たちはいま、国運が上昇するか墜落するかの分かれ目に立っている。この5年間、未来の成長動力を発見できないまま、先進国と発展途上国との間に挟まったサンドイッチ状態になり、経済の活力と国民の士気を失ってしまった。1995年に1人当たり国民所得が1万ドルを達成したが、12年もかかってやっと2007年に2万ドルの壁を越えた。日本とシンガポールは5、6年で達成している。新しい跳躍に向けた真の変化が切実な時だ。

向こう10年が決定的に重要だ。構造調整と広範囲な制度改革が成功的に実施されれば、安定的成長の新しい基盤を再構築し、経済協力開発機構(OECD)の上位圏国家に入ることができるが、失敗すれば経済の躍動性を失い、長期沈滞に陥るほかない。

韓国が直面した対内外の経済環境は、先進経済の達成という目標を実現するうえで友好的なだけでない。韓国経済が抱えている当面の課題は、政府介入を減らし、民間の創意を引き上げ、企業家精神が高揚するように、市場機能を活性化することだ。産業構造を高度化し、技術革新が経済成長を導く体制を固めなければならない。

成長率に劣らず、どのような成長なのかが重要だ。貧富の格差がひどく、中産層が崩壊した社会は、先進社会に進入することは難しい、盧武鉉政府のように、金持ちから奪って貧困層に分ける方式の格差解消は失敗せざるをえない。投資の活性化による雇用創出で、中産層を積極的に育成する必要がある。生活の質と個人の幸福がともに向上する社会をつくっていかなければならない。

先進一流国家に進むには、労働団体と左派団体の不法天地を容認しないという原則を確立しなければならない。盧武鉉政府は、親衛勢力に動員するために、これらの不法行為を放置することで、各部分の健全な成長を妨害した。全教組の安定雇用意識と平等コードも、未来世代の国家競争力を培ううえで深刻な障害要因だ。李明博当選者が新年のあいさつで「生活の中の法治」を強調し、「横車法や情緒法という言葉を辞書から消そう」と言ったのは、正しい状況診断であり、必ずや実現しなければならない課題である。

信頼、規範、制度など、個人または集団間の協力を促進する社会資本を拡充しなければならない。反腐敗非政府機構の国際透明性機構(TI)が発表する腐敗認識指数で、韓国は180ヵ国のうち43位だ。恥ずかしい現実である。成長は腐敗を伴いやすいというのが、世界史の経験則である。新政府は、大統領側近や親戚の腐敗から遮断されなければならない。政治・経済・社会の各部門で透明性と責任性が高まってこそ、大韓民国が先進国にグレードアップすることができる。

私たちは選挙を通じて政権を変える手続き民主化には成功したが、民主主義を堅固化、内面化する水準にはまだ達していない。民主主義の基本である対話と妥協が失踪して久しく、今回の大統領選挙でも現れたように、離党、分党、合党が当然のごとく行われるなど、政党民主主義がしっかり定着できていない。政党中心の責任政治を具現化し、大統領と野党間に率直な対話の場が設けられ相生の政治を図ってこそ、政治の先進化が可能となる。

北朝鮮の核無能力化計画の申告が年を超えることで、6者協議の未来に赤信号がともった。このままでは、韓半島和平体制樹立が水泡に帰すか、期限なく遠のく恐れがある。反対に、北朝鮮の核物質の流出を禁じる線で核問題が縫合され、これを機に米朝が急速に接近する場合、韓国だけが取り残される恐れもある。そのうえ、日中関係はますます緊密になっている。韓米同盟を政治と経済が結合した新しい価値同盟に変え、機敏に対応しなければならない状況だ。李明博次期大統領も韓米同盟の強化を確認したが、新年はその外交力量をテストされる重要な一年になるだろう。

昨年、韓国国民は、自ら偉大であることを確認した。原油が流出した泰安(テアン)半島に雲のように集まったボランティアは、冬の寒さの中でも岩と砂利についた油をぬぐった。その情熱と献身が今日の大韓民国をあらしめた力である。その力を合わせて再び走り、先進化に進まなければならない。2008年戊子年が、その初年度にならなければならない。李明博政府は、「謙虚に国民に仕え献身する」という初志を失ってはならない。