物理、化学など高校の科学教科書が現代科学に追いつかず、間違った概念まで登場するなど問題が多いという指摘が科学界から出ている。
一般高校の生徒たちは、教科書を通じていわゆる「古臭い物理」だけを習っているが、科学高校では現代物理学まで教え、2008年度大学修学能力試験(修能=日本のセンター試験に相当)の物理試験騒ぎが再発しかねない。
金教授は、「教科書に出ている原子模型は量子論が確率されていなかった100年余り前の話であり、現代の概念と異なるものが結構ある。科学高校を出たり、本で現代量子論を勉強したりした人は教科書と異なる概念を持つ可能性がある」と説明した。
忠北(チュンブク)大学の鄭真秀(チョン・ジンス)物理学科教授は、高校1年の物理教科書2種を分析し、49件の間違いを発見したと昨年の科学学術誌「新物理」に発表し、波紋を投げている。
化学教科書も問題が多い。
白盛惠(ペク・ソンヘ)韓国教員大学教授は、「化学教科書も18、19世紀に止まっている。元素の概念が現代では『陽性子数の同じ物質』に変わったが、生徒たちは『これ以上分解されない純粋な物質』という過去の概念を習っている」と明らかにした。
化学用語も学会の標準に追いつかず、生徒たちを混乱させている。
釜山(イ・サングク・プサン)大学の李相国(イ・サングク)化学科教授は、「10年あまり前までも、国内で使う化学用語はドイツ語や日本語の発音が大部分だった。世界論文の約90%が英語で出版されている現実を反映し、大韓化学会は化学用語を英語発音で表記するように勧めている」と説明した。
これを受け、「ナトリウム」は「ソディウム(sodium)」、「ハロゲン」は「ハロジェン(halogen)」に表記するが、現行の高校化学教科書には依然としてナトリウムとハロゲンと表記している。
生徒たちが従来の用語で習う場合、大学で英語で書かれた化学原書を読んだり、国際学会で外国学者と対話する際に混乱を引き起こす恐れがある。
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