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周期律表さえない、「化学」の抜けている化学教科書

周期律表さえない、「化学」の抜けている化学教科書

Posted January. 05, 2008 07:23,   

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「周期律表が分からなくても大学に入るのに何ら問題がありません」

白盛惠(ペク・ソンヘ)教員大学教授は4日、高等学校の化学教科書の問題点を取り上げ「化学教科書に最も重要な『化学』が、抜けている」と指摘した。

周期律表はすべての原子を陽性子数の順に配列したのだ。酸素原子一つが水素原子二つと結合して水になる理由など、化学反応と結合の原理を知るためには周期律表の理解が必須だ。

しかし、現行の高等学校では文科生はもちろんこと、理科生さえ周期律表をあまり学ばない。化学Ⅱで周期律表が出るが、必ず選択する必要がないからだ。

白教授は「化学者らがこの問題を提起すれば、教育課程評価院ではいつも『学生たちが難しがる、周期律表を入れると化学科目を選択しない』という回答が帰ってくる」と述べ、「学生たちの興味を重視するという名分によって、もっとも重要なことを逃している」と強調した。

●「なぜ」が消えた化学教科書

現在の化学教科書が実生活を素材にして学生たちに興味を与えたのは、評価に値する。学生たちの選択も大きく増え、化学Ⅰは最も成功した科学科目に挙げられる。

しかし、大韓化学会のある会員は「化学教科書は化学の本ではなく、文学や美術に近い」とし「地球科学や生物が化学教科書を真似るという話を聞く度に切ない」と批判した。同会員は「科学が科学である理由は現象の裏にある原理を見せてくれるからだ。化学教科書が深い説明を排除して『雑学の知識だけが増えた考えのない学生』を量産している」と話した。

大韓化学会は、大学教授を中心に理科生が必ず学ぶべき化学参考書を作っている。今の第7次教育課程では原理を詳しく説明した教科書製作が難しいからだ。ソウル大学化学科のある教授は「出版社の干渉が深刻で、二度と教科書製作に参加しない」と話した。

●不正確な理解と公式暗記

教科書で周期律表を除いたように深い説明を避けて易しく説明し、間違いもたびたび出る。化学Ⅱ教科書の「薄い溶液」単元に出る「沸騰点上がり」現象が一例だ。

液体溶媒(水)に溶質(塩)を溶かせば、沸騰点が攝氏100度に上がる。多くの教科書が溶質が液体の表面を覆って液体の表面積が減り、このために溶媒粒子が空気に十分跳ね上がらず沸騰点が上がると説明する。

白教授は「その説明が事実なら、首の狭い瓶に水を入れれば表面積が減るので沸騰点が上がるのではないか」と問い返した。易しく説明しようとして誤った比喩を挙げるか、説明が抜け落ちたというのだ。

白教授は「学生たちが、まともな理解なしに複雑な公式を学ぶのに汲々としている」とし「易しい教科書が、化学の計算化を生んでいる」と残念がった。

2000年、学業成就度を調査する国際比較研究(PISA)で世界第1位だった科学成績が2006年57ヶ国のうち、11位に墜落したのもこのように原理についての深い理解が足りないためという指摘だ。

●18世紀に閉じ込められた教科書

高校生たちが化学で、かなり混乱している概念の一つが元素と原子の違いだ。多くの教科書によると、元素は「これ以上分けられない純粋な物質」だ。これは原子が登場する遥か前の17、18世紀の概念だ。原子が登場し、元素は「同じ種類の原子どうしで集まった物質」に変わった。原子が電子と陽性子に細かく分けられ、現代では元素の定義が「陽性子数が同じ原子が集まった物質」になった。

ある化学科教授は「元素を原子についての説明なしに過去の概念である純粋な物質で定義するため、後に出る同位元素は全く違う概念で理解しなければならない」と指摘した。

化学の基本概念である酸と塩基も時代による変化を受け入れずにいる。塩基について中学校の時は水酸化イオン(OH−)を出す物質として学ぶ。しかし、高等学校では水素イオン(H+)を受け入れる物質に定義が変わる。大学に入っては電気双を与えることができる物質にまた変わる。大学に入って最新の定義を学ぶわけだ。

ある化学者は「電気双は難しい概念ではない。中学校はともかく、高校の教科書には、最新の定義を載せることが大学で混乱を減らす方法だ」と指摘した。



dream@donga.com