李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者が11日、国防部を訪れ、「国民はみなさんを信頼し愛している」と芳名録に書いた。李当選者は、国防長官、合同参謀議長、各軍総長など軍首脳部と歓談し、「国防がしっかりしてこそ、戦争を抑止して平和を守ることができる」と強調した。李当選者は、大統領府の了解を得る手続きまで踏んで、国防部を訪れた。
金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は、北朝鮮と首脳会談を行い、北朝鮮に対する協力基金をばらまいたが、北朝鮮は大量破壊の核とミサイルを開発した。李当選者の「安保の歩み」は、北朝鮮側政権勢力に対する漠然とした幻想を警戒し、軍の防衛態勢に動揺があってはならないというメッセージと読める。
盧政府は04年の国防白書で、北朝鮮を念頭においた「主敵」という用語を削除するなど、北朝鮮の機嫌を取ることに汲々としてきた。高官らが韓国軍を卑下する妄言も発した。盧大統領は、「若者が軍に行って何年も腐る」という言葉で、神聖な国防の義務を遂行する将兵たちを冒涜した。北朝鮮の挑発に対抗して戦い、戦死した将兵たちの魂を称える西海交戦記念式を政府次元ではなく海軍第2艦隊司令部の主幹で執り行うようにし、大統領は一度も出席しなかった。軍統帥権者が先頭に立って、国防と安保を南北関係の下位概念として扱い、北朝鮮との関係改善を妨げる障害物と見るような言行を続けた。
韓半島は、180万の大軍と莫大な兵器が対峙する分断の現場だ。戦争抑止力と平和のためには、力強い軍が必要だ。大韓民国軍はそのために存在する。隙のない国防力の裏づけのない平和協定は紙くずにすぎないという事実は、世界の歴史が語っている。
軍が本分を忘れて政権の意図によって踊ることはなかったか、軍の自省も必要だ。ゆるんだ軍紀を引き締め、乱れたシステムを正す自己救済の努力をしなければならない。新政府の発足を機に、統帥権者と軍が互いへの信頼をもとに渾然一体になって国家安保を強くする姿を、国民の前に示すことを期待する。