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[社説]崔京周選手のノブレス・オブリージュ

[社説]崔京周選手のノブレス・オブリージュ

Posted January. 16, 2008 07:26,   

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崔京周(チェ・ギョンジュ)選手が米プロゴルフ(PGA)ツアー・ソニーオープンで優勝し、PGAツアー通算7勝を果たした。韓国ゴルフのトップに満足せず、米PGAに挑戦し、7年で成し遂げた快挙だ。催選手は優勝を決めた後、京畿道利川市(キョンギド・イチョンシ)の冷凍物流倉庫火災に見舞われた遺族のために3億ウォンを寄付した。

3億ウォンは、今大会の優勝賞金94万4000ドルから外国人選手に課す税金30%を引いた本人分の半分に当たる金額だ。毎年1、2回、国内大会に出場する催選手は、国内大会の優勝賞金全額を、何度も貧しい人々へ寄付している。催選手が血のにじむような努力による光栄と補償に満足せず、貧しい人々のために何事もなく巨額を出すのは、だれでも簡単に真似のできることではない。

催選手が上げたPGA7勝の意味は決して軽くない。米女子プロゴルフ(LPGA)大会では韓国人選手たちがトップテンを半分ほど満たす時もあるが、選手のレベルと人気、そして競争の激しさがらして、LPGAはPGAの相手にならない。日本はゴルフ人口が韓国の2倍を超えるが、これまでPGA優勝は2回しかない。

催選手が実現した成功は、恵まれない環境に屈せず、タンクのように目標に向けて疾走する執念の賜物だ。催選手は漁村で過ごした高校時代、耕運機に乗り、ゴルフ練習場に行ってボールを拾い、掃除をしながらゴルフを学んだ。米国では下手な英語で大会が開かれるゴルフ場を探し回り、ハンバーガーを食べながらも常に技術を磨いた。

特別な創意と努力によって競争に勝利した人に、市場でふさわしい補償をするのは資本主義の経済体制が働く基本原理だ。競争の心理的モチベーションのない社会は低迷に落ちこむ。しかし勝者がすべてを得て、市場の敗北者を思いやらない社会は、統合も安定も成すことはできない。競争社会の勝者が弱者を抱える善行は、市場経済の維持発展はもちろんのこと、社会安定のための必須の滋養分だ。

最高の技術とともに高い徳目を見せてくれた催選手は、韓国の誇りだ。彼のノブレス・オブリージュ(社会指導層の道徳的義務)実践を模範とすべき人々が、韓国の指導層の間に多いのではないか。