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[オピニオン]傾聴の力

Posted January. 29, 2008 03:04,   

한국어

ソウル江南(カンナム)で小論文を教えるある学院の院長から聞いた話だ。この学院には、1ヵ月間受講生が何も話せないようにするルールがある。理由がおもしろい。最近の子どもは聞く力が足りないためだという。子どもたちに討論をさせると、他人の話は聞かずに自分の主張だけをしたり、他人の話に割り込んだりするというのだ。家庭でも会話はあっても聞くことは少ない。世の親は10代の子どもは大人の話に傾聴しないと考え、10代は親が自分たちの話を無視すると不満を持っている。夫婦間も然りだ。

◆洋の東西を問わず、昔の人は聞くことを最高の知恵と考えた。「耳が二つで口が一つなのは、たくさん聞いて少なく話すためだ」とギリシアの哲学者ゼノンは言ったが、実はかなり難しい。孔子も、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、次に六十にして耳順(した)がうと言っている。米国の作家オリバー・ホームズは、「話すことは知識の役割で、聞くことは知恵の特権だ」と言った。知識より知恵を得るのが難しいのは、昔も今も同じだ。

◆よく聞くことも訓練が必要だ。幼い頃から他人の話をしっかり聞く訓練をせずに大人になれば、それを直すことは難しい。聞く能力が劣れば学習能力も劣る。当然、成績が良くなるわけがない。「講義を聞くこと」は学問の核心だからだ。ある大学教授は、学生たちに特定のテーマに関してレポート課題を出すと、半分以上が関係のないテーマについて書いてくると話した。

◆日本の一部の地方自治体が、公立高校の入試に「国語リスニング」テストを導入した。「英語リスニング」テストのように、放送や録音を通じて例文を聞かせ、正確な要旨を選択し、例文に関する考えを記述する方式だ。日本で聞き取り教育を強化する理由は、他人の話を聞かない学生が増えているためだ。他人の言葉に耳を傾けるより自己主張のチャンスをうかがう時事討論番組の出演者から、まず傾聴する方法を学んではどうか。子どもたちが見て学べるように。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com