●機械で作る焼き物
韓国(ハングク)陶磁器の工場では、手で丁寧に作る焼き物製造工程を目にすることはできなかった。成型から出来上がりまで、ほとんどの工程が自動化され「機械で焼き物を作って」いた。
まず、成型工程が目を引いた。大きな成型機械2台が1秒に4個ずつ、焼き物の形を作っていた。成型機の部品を取り替えれば、大きさやデザインの違う約150種類の焼き物を作り出せるという。
会社の関係者は、「作業過程全体で10〜15%の不良品が発生しているが、そのうち半分以上は成型段階から生じるもので、この作業に一番神経を尖らせている」と耳打ちした。
成型の終わった焼き物は、ベルトコンベーアーに載って移動する。スポンジで異物をふき取り、表面をきれいにする整形作業が自動的に行われる。
釜に入る直前、ようやく10人あまりの「従業員」を目にすることができた。不良品を検査する人たちだった。頭を上げて工場をくまなく見てみると、各工程所属の労働者たちが一ヵ所に集まって、不良品検査を行っていた。いくら自動化システムが発達しても、不良品までコンピュータが見つけるのは難しいように思えた。
素焼きのための釜は約30センチの長さで、20区間ごとに温度が違う。最初は600度、釜の真ん中は1250度で最も温度が高くなるが、再び徐々に600度まで下がる。
素焼きにかかる時間は14〜16時間で、温度調整はすべてコンピュータが自動的に処理する。
●陶磁器と家電製品との出会い
「この工程をよくごらんください。韓国陶磁器が誇る転写作業というものですが、三星(サムスン)電子の家電製品にも適用しています」
釜から離れると、コン課長がいきなり記者の腕を引っ張りながら語った。
転写とは、紙に描かれた絵を焼き物やガラスの表面に移す印刷方式を指す。滑らかな表面に接着用のニースを塗り、絵の描かれている転写紙をつけた後、燃やせば絵だけ残る。
鮮明な転写の絵柄は、陶磁器全体の雰囲気を盛り上げる核心的な役割をする。
韓国陶磁器は昨年、三星電子のキムチ冷蔵庫「アサク」の前面デザインやジーペル冷蔵庫のチューリップの絵柄などに転写作業を施した。今年、「転写部門」の売り上げを別途に計上するほど、新たな収益源として期待をかけている。
同社の金武成(キム・ムソン)営業担当常務は、「韓国の陶磁器はノーベル平和賞の晩餐会場のテーブルに使われるほど、世界的にその優秀性を認められている」と話し、「1990年代、日本やドイツの焼き物攻勢から勝ち抜き、韓国の陶磁器産業も本格的に世界市場への攻略に取り掛かるつもりだ」と述べた。
取材を終えて高速バスに乗るため、鋻州(チョンジュ)バースターミナルに向かった。10分程度の暇があって、ターミナルとつながっているロッテマートの家電売り場を見物した。韓国陶磁器で目にした転写用のチューリップ柄がちりばめられてたジーペル冷蔵庫に、「顧客から最も愛される製品」というリボンがつけられている。
売り場の従業員は、「前面の哀れな感じのチューリップ柄が上品の感じをかもし出し、買い求める客が多い」と説明した。
lovesong@donga.com