多国籍製薬会社のヤンセンを系列会社に置く米グローバル企業のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、今年に入って韓国ヤンセン工場を「世界製薬生産グループ(GPSG)」に含まれたことが確認された。
GPSGはJ&Jの世界拠点工場で、韓国ヤンセンがGPSGに含まれたのは、アジア販売のための生産拠点として格上げされ、韓国向けの投資が拡大するという意味を持つ。
ヤンセンの韓国法人の韓国ヤンセンは17日、「J&J本社が韓国ヤンセンを先月中旬、11番目のGPSGに選定した」とし、「これを受け、韓国ヤンセン工場に生産装備の購買などのため、今年20億ウォンを投入するなど、数年間、工場拡大と施設の現代化のための投資を持続する計画だ」と発表した。
J&JのGPSGは今度追加された韓国を含め、欧州、北米、南米、アジア地域11カ国に構えている。
さらに、韓国ヤンセン工場の輸出国もシンガポールなど従来のアジア8カ国からさらに増やす計画だと、会社側は補足した。
今回の決定は、昨年まで数年間、相当数の多国籍製薬会社が高い人件費や労組問題などを理由に韓国から相次いで工場を撤回させたのとは対照的な動きとして注目されている。
韓国ヤンセンのチョン・ホジン工場長は、「昨年、韓国ヤンセン工場がヤンセンの世界20ヵ所の工場の中で生産性1位を占め、1983年、韓国法人設立後、一度の労使紛糾もなかったことが本社の信頼を取り付けたようだ」と分析した。
韓国ヤンセンの他の役員は、「今回の決定は市場親和的、企業親和的な経済政策を強調する李明博(イ・ミョンバク)政府発足に対する期待感も一部反映している」と説明した。
J&Jは、製薬、医療機器および診断、消費財の3部門を抱えている世界的な医療保健(ヘルスケア)グループで、製薬部門に属するヤンセンは、1983年5月、韓国法人を設立し、販売用の薬を生産してきた。韓国ヤンセンは昨年、1900億ウォンの売り上げを記録した。
これに先立ち、多国籍製薬会社の韓国ベリンガー・インゲルハイムは、昨年8月、忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)工場をSKケミカルに売却し、グラクソ・スミスクライン(GSK)も同年11月、韓国撤退を発表した。
これで2004年15ヵ所だった多国籍製薬会社の韓国生産工場は、韓国ヤンセン、バイエルシェーリングコリア、大塚、韓国MSDの4ヵ所だけが残った。
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