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[オピニオン]地域案配

Posted March. 01, 2008 03:21,   

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「出生地は全羅北道完州(チョンラプクト・ワンジュ)のどこですか」「よく分かりません」。先月27日、柳仁村(ユ・インチョン)文化観光部長官候補に対する国会人事聴聞会で、野党議員と柳候補の間で交わされた「寒いギャグ」のような質問と回答だ。大統領府は、15人の長官候補を発表し、全羅道出身は柳候補者を含め3人だと発表した。しかし柳候補者は、聴聞会で自ら「感情的にはソウル人」と述べ、出生地が完州のどこか知らないと答えた。長官候補に全羅道出身が少ないという批判を避けるために強引な発表をして、全羅道の民意を刺激する結果となった。

◆大統領府首席や長官人事に関する新造語が続出している。「高麗(コリョ)大学—ソマン教会—嶺南(ヨンナム=慶尚道)—ソウル市庁」を縮めて、「コ・ソヨンSライン」や「江南(カンナム)不動産富者内閣」を縮めて、「カン・ブジャ内閣」がその代表例。法務長官、検察総長、警察庁長官、大統領府民情首席とともに5大情報・司直機関長とされる国家情報院長にも慶尚道(キョンサンド)出身が内定すると、「慶尚道郷友会司正ライン」という言葉が出た。

◆歴代政権も地域偏重人事で、「TK(=テグ・キョンサンブクト)政権」「PK(=プサン・キョンサンナムド)政権」「全羅道政権」という批判を受けた。しかし、首相や一部長官と権力機関長には、地域の案配を考慮した人事がなされた。米国でも、元州知事が大統領になった時、「ジョージア師団」「アーカンソー師団」「カリフォルニア師団」という言葉が生まれた。州知事時代の参謀や側近を多く起用したためだ。しかし、ホワイトハウスの参謀たちが大半の内閣は、特定地域偏重人事という声を聞くほどではなかった。

◆地域を配慮した人事は、地域感情を緩和し、国民統合を志向する象徴的な政治行為だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領は就任前、「私に学縁、地縁、血縁はない。私はそのように生きてはこなかった」と言って期待を集めた。しかしこれまでの人事は、その言葉とかけ離れている。大統領府は、「能力中心人事」の結果だと言う。能力のある人は慶尚道出身だけだという言葉のようにも聞こえ、非慶尚道出身が侮辱を感じる恐れもある。大統領は、今後の人事では偏重人事を補う政治力を発揮しなければならない。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com