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「李容疑者、カネ目当てに殺害」 一家4人殺害事件で警察が推定

「李容疑者、カネ目当てに殺害」 一家4人殺害事件で警察が推定

Posted March. 12, 2008 08:10,   

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ソウル麻浦区倉前洞(マポク・チャンジョンドン)の金某氏(46・女)一家4人殺害事件は、元プロ野球選手の李昊星(イ・ホソン)容疑者(41)=死亡=が借金のために犯した可能性が高いことが判明した。

ソウル麻浦警察署のホン・ソンサム署長は10日、「事件当日午前11時ころ、金氏が銀行から1億7000万ウォンを引き出していたため、このカネを目当てに李容疑者が金氏一家を殺害した可能性が高い。現在1億ウォンの使途は解明されており、残りの7000万ウォンの使途を追跡しているところだ」と説明した。

金氏一家の死因について、ホン署長は「解剖検査の結果、頭部陥没などが発見されてはいるが、家で殺害された3人の死因は窒息死だ」と明らかにした。外部で殺害されたものとみられる金氏の長女は頭に怪我をして死亡したことが判明した。

ホン署長はまた、「李容疑者が自殺する前に2本の手紙を出していたが、兄宛の手紙には自分の借金返済を頼む趣旨の内容と、母親、兄、妻、息子に対する謝罪の言葉が書かれている。野球協会長に宛てた手紙には『昔の時代が幸せだった。天国に先に行って待っている』と、自殺をほのめかすような内容があった」と明らかにした。

▲海外逃亡計画も〓李容疑者は犯行前に海外逃亡まで目論んでいたことがわかった。金氏から1億7000万ウォンを奪いとった後、金氏一家を殺害していたことが新たに判明。

警察によると、李容疑者は犯行当日である先月18日午前10時ころ、ソウル光化門(クァンファムン)のH旅行会社に携帯電話で海外の航空便を問い合わせていたという。

H旅行会社の関係者は、「当時、李昊星氏に似たような名前の男性が電話をかけてきて、1人で旅行に出る予定で、パラグアイ行き航空便があるかとたずねてきた。パラグアイを経てブラジルに行く計画だと言っていた」と話した。

航空便を問い合わせていた李容疑者は、同日午前11時ころ金氏とともにソウル西大門区倉前洞(ソテムング・チャンジョンドン)一帯の銀行5ヵ所を回り、1億7000万ウォンを現金で引き出したものとみられる。

警察は、「金氏の口座を追跡した結果、先月15日に金氏が1億7000万ウォンの定期預金を解約した後、銀行5ヵ所に分散して預けていたものとわかった。金氏は3日後の18日、5行に預けていたカネを全部引き出した」と発表した。

当時、銀行の防犯監視カメラには金氏と同行した人は映っていなかったが、現金を引き出した金氏が銀行の外に駐車してあった白色の車の助手席に乗り込む姿が映っていた。警察は当時の画面を分析している。

警察は李容疑者が金氏を脅し、カネをゆすったものと推定している。李容疑者は、続いて同日午後に金氏と3人の娘を殺害した後、翌日の未明に自分の父親の墓がある全羅南道和順(チョルラナムド・ファスン)の共同墓地に金氏一家の遺体を埋葬した。

その後すぐに光州(クァンジュ)に移動した李容疑者は、先月19日午後2時ごろに光州南区(ナムグ)で債権者の李某氏(女)に会い、5000万ウォンを渡した。

警察は、「債権者の李氏に渡したカネのうち、5000万ウォンは李容疑者の兄が受け取った。李容疑者はその後3月8日、債権者の李氏に再び会い、1000万ウォンを渡し、自分の内縁の妻であるチャ某氏にも4000万ウォンを渡した」と説明した。

その後も李容疑者は京畿道一山(キョンギト・イルサン)と全羅南道光州を行き来しており、9日にチャ氏に最後に会ったあと、ホテルに宿泊した。同日午前12時ころ、ソウル聖水(ソンス)大橋近くで別れていた。

▲解明すべき捜査課題〓李容疑者が金氏のカネを奪い取った後、金氏の娘たちまで全員殺害した動機が不透明である。これに対し、警察の一部では「完全犯罪を図るため」と見る向きもある。

しかし、金氏の長女が失踪直前に友人たちに、「母と再婚するおじさんと家族水入らずで旅行に行く」と言っていたほど、自分の存在がすでに周りの人々に知られている状況であったため、このような見方には説得力を欠く。

さらに、李容疑者が「借金返済」を迫っていた金氏に恨みを持っていたとしても、あえて子供たちまで巻き込んで殺害した理由は説明がつかない。

共犯がいるのかどうかも今後確認が急がれる課題だ。警察は金氏のマンションの防犯監視カメラを解析し、失踪当日である先月18日の夜に、金氏の家で大型旅行カバンを運び出す男性と二日後の20日午後、金氏のマンションの駐車場に乗用車を止め、逃げ去った男性などが映っていることを確認したが、これらの男性が同一人物だったかどうかまだ確定されていない。

警察関係者は、「李容疑者は、やや太めで体格の良いほうだが、20日に駐車場から逃げ去った男性はすらっとした体格だ。2人が同一人物であるかどうか分析を続けている」と話した。

警察は、失踪当日のマンションの防犯監視カメラと20日の駐車場の監視カメラに対する精密分析を通じて、共犯がいるのかどうかを解明する一方、金氏の新たな被害額についても調査中だ。

▲「仲の良い家族だったのに…」〓金氏の家族が無惨に殺害されたまま野山で発見されると、知人たちは「なぜこんなことが起きたのか」と沈痛な面持ちで話した。

金氏の友人、チャ・キョンスク氏(46)は、「18日の午前に旅行に行くことになったという文字メッセージが来て、浪人生活が始まる次女と気晴らしのために旅に出るものだろうと思っていた」と語り、その以上言葉を続けることができなかった。

大学でミュージカル公演を専攻していた長女のチョン某氏(20)は、学部の成績が4.25であるほど優等生であり、個人のホームページには最近見たミュージカルについての丁寧な感想とともに、「韓国ミュージカルの希望を見た。私もぜひ舞台ですばらしい公演をしたい」という書き込みをしていた。

近所の人は、「三人の娘とも綺麗でやさしかった。金氏の夫が自殺する前までは明るく仲の良い家族だった」とその死を惜しんだ。