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ウォン安、輸入品市場を直撃

Posted March. 21, 2008 03:00,   

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「値札の付け替えが大変です」

19日午後、ソウル中区南蒼洞(チュング・ナムチャンドン)の南大門(ナムデムン)市場に位置する通称「トケビ(おばけ)輸入品商店」。ここで日本製雑貨を販売して30年になるという李ヘドンさん(76)は、急上昇している円相場にあわせて商品の値札を付け替えていた。

50代の女性が李さんの店に立ち寄った。「どうしてこんなに高くなったのか」という客の問いに李さんは「円相場が高くなったため」と困った表情で答えた。商品を見回していた客は結局何も買わずに帰って行った。

同じく「トケビ輸入品商店」内のワイン専門販売店でもワインの値段が急上昇している。フランス産のシャトー・タルボ(2002年)1本が9万2000ウォン。3ヵ月前には6万8000ウォンだったワインだ。この店の店長をつとめるアン・ソンデ(52)さんは、「ウォン安になる前に買い込んだワインは値段を据え置いたが最近仕入れたワインは価格を引き上げざるをえない。値段が上がったせいで客足も落ちた」と話す。

●ウィン安で輸入品価格が急騰

ウォン相場の下落で中間層の消費で高い割合を占める輸入品の消費者価格が上昇している。特にウォンはユーロ、円など他の主要国の通貨とは異なりドルに対し「独り安」の状態だ。従って、これらの地域から輸入する商品の価格は米国製商品に比べ上昇率がはるかに高くなっている。

例えば、1月2日、1371.65ウォンだったウォンの対ユーロレートは20日には1578.49ウォンのウォン安ユーロ高となった。1月2日、円に対し100円=838.20ウォンだったウォン相場は20日1018.15ウォンと急落した。原油高に伴う輸送料上昇や世界規模で進んでいる原材料価格の上昇も輸入商品の価格を押し上げる要因として働いている。

主なワイン輸入業者は2月から3月の間にボトルワインの価格を15%引き上げた。フランスから輸入する一部の高級ワインは30%〜50%も上昇した。ワインの輸入流通業者の「ワインナラ」の李チョルヒョン社長は「北京五輪を前に、中国でのワイン需要が急増し、供給が需要に追いつかないのも価格上昇の一因」と説明する。

欧州産チーズの価格も大幅上昇している。ロッテマートによると、欧州産チーズの価格はここ2ヵ月の間、8〜10%上昇した。オーストラリア産牛肉も3ヵ月間で11%も跳ね上がった。

釜山(プサン)国際市場の輸入食料品価格は最近平均15%上昇した。2ヵ月前と比べ米国産ケチャップは20%、クルミは25%高くなった。日本製ラーメンは28.6%、みそは20%、ごまソースは16.7%上昇した。中国産ごままで10%上昇した。

輸入先と正規に契約を結んだ代理店が輸入した製品に比べ割安だった日本製デジタルカメラの「並行輸入品」(正規代理店のほか、一般の輸入業者が多様なルートで輸入した製品)の人気も落ち込んでいる。

一定期間、固定為替で輸入する契約を結んでいる正式輸入品に比べ、並行輸入品には円高がもろに反映され、価格メリットがなくなっているためだ。

南大門市場で日本製カメラ店を営んでいる店主は「まだ並行輸入品が正規品より2万〜3万ウィン安いがアフターケアまで考慮すると正規品を購入した方が安上りだ」と話す。

●ウォン安で海外旅行のキャンセルも相次ぐ

チョン・ジョンファンさん(58)は昨年から夫婦で欧州旅行に出る計画を立てていた。しかし最近ユーロ相場が1ユーロ=1600ウォン前後にまで上昇したため、旅行をあきらめた。チョンさんは、「欧州旅行にかかる経費が予算をはるかに上回るのであきらめた」と残念な表情を隠さなかった。

チョンさんのように海外旅行をキャンセルする人が相次いでおり、大手旅行会社のモドゥツアーでは1%を下回っていた旅行予約キャンセル率が5〜10%に急増した。

同社は来月1日から日本、欧州旅行商品の価格を5万〜25万ウォン引き上げる計画だ。商品の企画当時より円相場は100ウォン、ユーロ相場は200ウォン高くなったためだ。

11ヵ月になった子供の紙オムツに日本製品を使っていたチョン・ヒョジンさん(32)は、最近、韓国製紙オムツを使うようになった。日本製紙オムツの価格が大幅上昇し、家計への負担が大きくなったためだ。

統計庁が発表した2月の消費支出期待指数のうち、外食・娯楽・文化など、より生活を豊かにするための消費に対する期待指数は1月の94.3から91.2へと3.3ポイント低下した。

淑明(スクミョン)女子大学経済学科の尹源培(ユン・ウォンベ)教授は、「輸入嗜好品は必需品ではないため、価格上昇は消費減に直結する。現在のようにウォン安が続けば、中間層の消費水準は下落する」と説明した。