北京五輪の開幕を告げる聖火リレーを控え、少数民族の独立デモやテロの懸念、国際社会の五輪開幕式の参加拒否の拡大などで、中国政府で緊張感が高まっている。
「一つの世界、一つの夢」をいうキャッチフレーズを掲げ、北京五輪を通じて急浮上している中国を世界にアピールするという、中国指導部の遠大な構想に暗雲が立ち込めている。
▲聖火リレーの出発地の天安門広場を徹底警戒〓中国政府は31日、聖火リレーの出発式が行われる天安門広場でチベット独立を要求するデモが発生することを恐れ、先週末から物々しい警戒を敷いている。24日、ギリシャのオリンピアで行われた聖火採火式の時、チベット独立支持者らによる騒ぎがあったからだ。
聖火リレーのスタートを3日後に控えた28日、天安門広場は公安と武装警察の警戒が中国最大の政治行事と呼ばれる「両会(全国人民代表大会と全国人民政治交渉会議)」期間中よりもさらに厳しかった。
天安門広場に入る10あまりの入り口にはいずれも公安3名と武装警察2名がそれぞれ配置され、出入りする人の所持品を検査した。警察らは、観光客のカバンをいちいち開けてみるのはもちろん、旅行客が持っている飲み物まで全部ふたを開けてにおいを嗅いでみた後、出入りを許容した。
検査を担当した公安に「何を検査するか」と聞いたら、「危険物質」とのみぶっきらぼうに答えた。観光客を引率するある旅行ガイドは、「50度以上のお酒も持ち込み禁止」と話してくれた。アルコール濃度の高いお酒は爆薬にも使えるからだという。
▲拡散する五輪不参加宣言〓チベット人の独立デモに対する中国政府の武力鎮圧に抗議する意味で、北京五輪の開幕・閉幕式に参加しないという国も増えている。チェコ、ポーランド、エストニアなど、欧州連合(EU)3カ国首脳は26、27日、相次いで五輪開幕式の不参加を宣言したと、APやAFP通信などが報道した。
サルコジ仏大統領も27日、ブラウン英首相との会談で、7月にEU巡回議長に就任すれば、五輪開幕式のボイコットについて27の加盟国と話し合うと述べた。しかし、2012年ロンドン五輪を開催する英国のブラウン首相は北京五輪をボイコットしないと述べた。
サルコジ大統領は、英国訪問前から五輪開幕式に参加しない可能性を排除していないという見解を明らかにした経緯がある。
EUは28日から開かれるEU加盟国外相会談で、五輪開幕式共同不参加問題について話し合う予定なので、不参加の国はさらに増える可能性が高い。
中国は27日、秦剛・外交部報道官の発言を通じ、「チベット問題は中国の内部問題で、外国が口を挟むような事案でない」と強く反発した。
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