Go to contents

[社説]大統領が走ってから動く政府

Posted April. 02, 2008 06:23,   

한국어

公務員の基本責務は国民の生命や財産を守り、国民の苦情や不便を和らげることだ。一文の税金でも節約するため、政府組織や国政を滞りなく運営していくことや、国民が最適の状態で、社会生活や経済生活を営めるように手助けすることも、公職者たちの役目だ。

このような責務を全うするためには誰からなにか言われる前に、公務員は進んで献身する姿勢を見せ、自ら動かなければならない。さらに新政府は、「国民を敬う政府」を掲げている。しかし、現実は全く異なる。

あらゆる苦情にも関わらず、5年間微動だにしなかった大佛(テブル)工業団地の電柱が、李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者(当時)の一言で、わずか3日間で抜き取られたことは、もう一種のコメディに他ならなかった。最近、企画財政部など、さまざまな省庁は役職にもないタスクフォース(TF)チームを量産し、政府組織の統廃合で発生した遊休人材を配置しようとして、李大統領から怒号が下されてから慌てて解散した。大統領が表に出てこなかったら、電柱もそのままだったし、「小さな政府」も見掛け倒しになるところだった。

警察は高陽市(コヤンシ)の小学生誘拐未遂事件をうやむやしようとしていたところ、大統領が現場の警察署まで駆けつけて叱責すると、大勢の捜査員を投入して容疑者を逮捕した。やればできることだった。しかし、大統領が口をつぐんでいればどうなっただろう。犯人は引き続き羽振りを利かせながら、第2、第3の犯行に及んで、へジンさんやイェスルさんのように、幼い命が再び犠牲になったかもしれない。

公務員の事なかれ主義や保身主義を示す事例は、これだけではない。新大統領は、「政府から先に変わるべきだ」と連日のように促しているが、官僚社会の変化は極めて受身的で遅い。大統領が動いてはじめて動きだすような政府を果たしてまともな政府だと言えるだろうか。そのような官僚体質では、「敬いの政府」を作ることも、大韓民国を先進国へと導くこともできないだろう。

大統領が政府の第一線のことにまで、一つ一つ口出しすることも、すでに巨大国家となったこの国では望ましいことではない。しかし、国民生活と直接つながっている第一線の警察が眠っていれば、これは大統領のみならず、全国民が表に出て、責めざるを得ないことだ。公務員たちは大統領が動く前に、自分で動くべきだ。そして変わるべきだ。「我々の公職者がこの時代の足かせとなるぐらい、危険なレベルにまできているようだ」という大統領の指摘を、公職者たちは自らの行動を持って覆すべきだ。